伝説のピッツァ職人が、アジア初出店に選んだのは東京・日本橋!
2019年9月27日(金)、日本橋にグランドオープンした「コレド室町テラス」。
地下1階から2階までの49店舗のうち、31店舗を飲食店が占め、新業態や関東・商業施設初出店などの店舗が多いことで注目されている商業施設だ。
その中にあって特に話題を集めること必至なのが、ナポリピッツァ界のカリスマと呼ばれるジーノ・ソルビッロ氏のピッツァ専門店『Gino Sorbillo Artista Pizza Napoletana (ジーノ ソルビッロ アーティスタ ピッツア ナポレターナ)』。同店は1935年創業の老舗であり、イタリアでは知らない人はいないほどの有名店。
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オーナーであるジーノ氏の父親であるサルバトーレ氏もピッツァ職人。21人兄弟の19番目であり、21人全員がピッツァ職人というから驚きだ。
そんな環境の中、幼少の頃からピッツァ作りを身近で学んできたジーノ氏は、持ち前の旺盛な探求心で独自の製法を開発。その味はイタリアのグルメガイドの決定版『ガンベロロッソ』で最高評価を得ており、行列嫌いのイタリア人が、この店にだけは長蛇の列をなすことで知られている。2時間前後並ぶのは当たり前で、新店がオープンした時には最大4時間もの行列ができたそう。
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▲ナポリピッツァ界のカリスマ的存在として名を馳せるピッツァ職人、ジーノ・ソルビッロ氏(写真上・左)と、弟のアントニオ・ソルビッロ氏(同・右)
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▲「コレド室町テラス」1階の『Gino Sorbillo Artista Pizza Napoletana』エントランス
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▲本町通りに面した大屋根広場側のテラス席には、イタリアから取り寄せたカラフルな椅子とテーブルが並ぶ
ナポリの伝統的なピッツァの特徴は、生地のやわらかさ!
「コレド室町テラス」のオープンに合わせて来日中のジーノ氏に話を聞くことができた。
ジーノ氏に、初めて店を訪れる日本人におすすめのメニューを聞いたところ「それは間違いなく、マルゲリータとマリナーラ」と即答。さっそくその2品をいただく。
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▲トマトソース、モッツァレラ、オリーブオイル、バジルを乗せた「アンティカ マルゲリータ 」
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生地のふちの部分だけをまず、味わってみる。小麦のうまみと甘みが強く、香ばしく、ほのかな塩味が絶妙で、生地だけでもずっと食べ続けたいと思うほど。生地は非常に薄くやわらかく、しなやかなのが特徴的。あまりにやわらかく片手で持つことが難しいため、先端からくるくる巻いて食べる。
「ナポリのピッツァの伝統は、このやわらかさ。持ち上げた時に垂れ下がるのが本物なのです」(ジーノ氏)。
ちなみにジーノ氏のピッツァの製法は家族にしか知らされないため、同店の日本人スタッフも知らないという。そのため、コレド室町テラス店にはイタリアから交代で愛弟子が訪れることになっている。ジーノ氏によると、細かい製法は極秘だが、ピッツァ生地を24時間かけてじっくり発酵させているため、これだけやわらかい生地になるとのこと。
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▲トマトソース、オリーブオイルに、オレガノ、ニンニク、バジルで風味をつけた「マリナーラ」
チーズを乗せず、トマトソースとハーブのみで味わうマリナーラは、生地のおいしさをさらに強く感じることができる。ハーブの香りでトマトソースのうまみがより濃厚に感じられ、生地の軽さ、なめらかさが引き立つのだ。
トマトソースの鮮烈な酸味、自然な甘みも印象的。イタリア産のトマトに近い味のものを、ジーノ氏が日本の多くのトマトを食べ比べて選び抜き、使用している。トマトに砂糖を加えて甘みを出す店も多いが、ジーノ氏は絶対にそれをしないのだという。
確かにこの2品だけでも、ジーノ氏のピッツァのただならぬ人気の理由がわかる。
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「この2品の次におすすめは?」とたずねたところ、ジーノ氏は「サルシッチャ フリアリエッリ」(プロヴォーラチーズ、ソーセージ、オリーブオイル、フリアリエッリ)と「カラブリアのピッツァ」(ンドゥイヤ ピッカンテ、トマトソース、モッツァレラ、オリーブオイル、バジル)をあげた。
「『サルシッチャ フリアリエッリ』は、『フリアリエッリ』という菜の花に似た葉野菜を乗せたピッツァ。『カラブリアのピッツァ』は『ンドゥイヤ ピッカンテ』というカラブリア州伝統の非常に辛い腸詰を乗せたピッツァ。どちらも日本ではあまり馴染みがないと思うので、基本の2品の次に食べていただくのにはオススメです」(ジーノ氏)。
アジア初の出店を日本に決めた理由は「ナポリにいると日本を近くに感じるから」
現在、同店はイタリア国内ではナポリに2店、ミラノに3店、ローマに1店展開しているほかは、ニューヨークに1店舗あるのみ(年内にジェノバとマイアミにオープン予定)。今回の出店は日本初であり、アジア初でもある。
出店先として、アジアの中でなぜ日本を選んだのかを聞くと「ナポリの店には多くのアジアからの観光客も多く訪れるが、中でも日本人が飛び抜けて多い。だからナポリでも日本に親しみを感じていた」とのこと。
また、ピッツァの技術を学ぶためにさまざまな国の人が店に働きに来るが、日本人が最も熱心で技術力が高いことも、日本を近くに感じる理由だそう。そうしたいくつかの要素から、アジアで最初に出店するならぜひ日本にしたいと思っていたと言う。
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▲床材、カウンター、椅子、テーブルはイタリアから取り寄せている
ピッツァ職人一族の中でも、飛び抜けた探求心とこだわり
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「私が作っているのは、300年くらい前から作られているナポリの伝統的なピッツァです」とジーノ氏は製法について多くを語りたがらない。
同店の河口良店長は、トマトソースに使用するための日本産トマトを選ぶ時のジーノ氏の妥協をしない探求心に驚いたという。「原料の選び方、生地を発酵させる酵母の作り方、発酵時間など、誰も真似できないほど徹底的に研究し尽くし、こだわりを追求しています。それが味にあらわれているのだと強く感じましたし、ぜひ多くの皆さんに味わっていただきたいと思います」(河口店長)。
イタリア国内の店と同様、同店も予約不可のため、オープンと同時に行列ができることは確実。美味のためには行列をいとわない人が多い日本では、ナポリよりもさらに長い行列ができそうだ。
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【メニュー】
アンティカ マルゲリータ 1,480円
マリナーラ 1,180円
サルシッチャ フリアリエッリ 1,890円
カラブリアのピザ 1,680円
※18時以降はサービス料5%
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
Gino Sorbillo Artista Pizza Napoletana(ジーノ ソルビッロ アーティスタ ピッツア ナポレターナ)
- 電話番号
- 03-6910-3553
- 営業時間
- 11:00〜23:00
- 定休日
- 無休(ただし施設に準じる)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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