【保存版】フランス料理のマナーを総ざらい!
たくさんのカトラリーやお皿、グラス。なんだか複雑そうだし、かしこまった雰囲気に緊張しそう、と思う人が多いのが「フランス料理のマナー」。
カトラリーの使う順番は? パンはいつ食べていいの? ワインが苦手な場合は?
本稿ではフランス料理が初めての方や、スマートにエスコートしたい方、招待を受けたけどマナーが気になる方も、今こそ知っておきたい26の「フランス料理のマナー」についてQ&A方式で公開。
“日本のカルチェラタン”こと御茶ノ水で大人気のフレンチレストラン『TERROIR Kawabata(テロワール・カワバタ)』のシェフ、川端清生さんに「フランス料理のマナー」について教えていただいた。
正しいマナーは訪問前から!~下準備編~
Q.予約は必須ですか? もし予約する場合は、いつ頃、どうやってすればいいでしょうか?
A.カジュアルなお店のランチタイムなどで、席に余裕があれば当日の訪問も可能ですが、グランメゾン(一般的に、格式のあるフランス料理店を指す)などに予約なしでの訪問は避けたほうがベターです。お店は万全の状態でお客さまを出迎えたいもの。日にちが分かったら早めに、お店に電話やネット経由で予約するのがいいでしょう。
Q.最近多い「スマートカジュアル」というドレスコードにはどう対応したらいいですか?
A.男性ならシャツやジャケット、気になる場合はネクタイを持参するなどすれば間違いないと思います。その際、ボトムスにも注意を。ハーフパンツやサンダルは基本的にNGです。女性は清潔感のあるワンピースなどを着用するといいでしょう。「スーツほどかしこまらないけど、カジュアル服でもない」といったところでしょうか。
Q.香水はNGですか?
A.フレンチレストランに限らず、食事というのは飲み物も含め、香りまで味わいたいもの。それを邪魔してしまうような香水や化粧品の香りは避けたほうがベター。まわりへの気遣いもエレガントさの一つです。
まずは雰囲気を楽しむのが一番!~食事編~
Q.カトラリーがたくさん並んでセットされている場合、使うのはどれからですか?
A.基本的に外側からですが、選んだメニューによっては追加でカトラリーを持ってきてくれることもあります。
Q.カトラリーが1セットしかない場合は使いまわせばいいのでしょうか?
A.そうですね。カトラリーレストがある場合はそこに戻すといいでしょう。また、替えたい場合や追加で欲しいカトラリーがあれば、スタッフに言うと対応してくれるでしょう。
Q.ナプキンはどのタイミングで使えばいいですか?
A.食事の始まるタイミングで膝に置きます。その際、折り目のわ(輪)の部分が自分の腹側になるように置きます。形によってはそのまま広げて置いてもOKです。
Q.水やカトラリーなど、なにかお願いしたいときはどうしたらいいでしょうか?
A.気軽にスタッフに申し出て大丈夫です。また、スタッフを呼ぶ際は手を肩の高さ程度に上げ、目で合図するとスマートです。気が付かない場合は呼びかけても。
Q.食事が終わったらカトラリーはどこに置けばいいでしょうか?
A.お皿の右斜め下方向にそろえて置くか(時計の4~5時の当たり)、レストがある場合はそちらに戻します。
食事中に口を拭いていいのはどれ?
Q.口を拭きたいときはおしぼり? ナプキン? どちらでしょうか?
A.おしぼりは日本独自のサービスですが、手を拭くためのもの。ナプキンの内側で拭きましょう。
Q.食事中、お手洗いに立ってもいいタイミングは?
A.基本的に料理がすべて出た後、デザートの前ならいいと言われていますが、同席の人に化粧室に行ってきますなどと声をかければいつでも大丈夫です。
Q.アルコールが飲めない場合はソフトドリンクでもいいでしょうか? またワインなど合わせるアルコールがわからない場合は?
A.運転の都合があるなど、個人の理由もあるのでソフトドリンクでもちろんOKです。ワインなどお酒についてわからない場合、味の好みやオーダーした料理、予算などをスタッフまたはソムリエに伝えると教えてもらえます。気軽に聞いてみましょう。
Q.パンはいつ食べたらいいでしょうか? また数種類出された場合、どれから食べるのが正解ですか?
A.基本的に食事が始まったらいただきます。好きなものから頂いてOKです。
Q.食べにくい場合、お皿は持ち上げてもいいのでしょうか?
A.フレンチでお皿を持ち上げていいのは「取っ手のある」食器だけです。お皿を手前に少し傾けるなどは大丈夫です。
魚や肉の骨はどうすればいい?
Q.肉や魚に骨があった場合、どこに置けばいいでしょうか?
A.お皿の上端のほうに置きましょう
Q.料理のシェアや交換などをするのは大丈夫ですか?
A.カジュアルなフレンチなら大丈夫です。
Q.料理は付け合わせとメインの肉・魚類、どちらから食べるのがいいでしょうか?
A.肉や魚は適温で提供されるため、できれば出来立てを味わいたいもの。これというルールはありませんが、まずは肉・魚類を味わい、次に付け合わせをいただくのがベターでしょう。付け合わせは口直しの意味や、合わせて食べる楽しさを提案している場合もあるので、お皿の上の組み合わせも楽しんでみては?
Q. カトラリーを落としてしまったら?
A.手を上げ、スタッフに取ってもらいます。自分で拾うのはNGです。
Q.お皿のソースをパンですくって食べるのはいいでしょうか?
A.大丈夫です。ソースをとても工夫して作っているシェフもいます。なので、きれいに食べてくださるとうれしいですね!
Q.お料理の写真が撮りたい場合は声をかけてOKだったら大丈夫ですか?
A.お店によっては料理の撮影もNGという場合もあるので確認するのがいいでしょう。また、撮影の際は他のお客さまが写らないようにする、フラッシュをたかない、シャッター音はオフにするなどまわりにご配慮を。
バターの取り方、改めて考えると…?
Q.エスカルゴや貝類、海老など殻のあるものをいただく場合、片手で殻を押さえてもいいでしょうか?
A.大丈夫です。手や専用の道具などを使っていただきましょう。
Q.2人で一皿のバターを出された場合、自分の分を取るものでしょうか?
A.自分のパン皿に自分の使う量をバターナイフで取ります。
Q.パイ包み焼きやでパイ生地の繊細なデザートなど、バラバラになったパイ生地がお皿に残ってしまいます。どうしたらいいでしょう?
A.気にせず、そのままで大丈夫です。
コース構成、ソースをどうするか? 知っておくと安心!
Q.お皿まわりにある飾りのソースはそのまま残してもいいのでしょうか?
A.食事と頂いても、そのままでもOKです。
Q.コース内容を選べる場合、「冷たい前菜が2つ」「前菜もメインもお肉」など、かぶっても大丈夫でしょうか?
A.好きなものを頼みましょう。もし迷ったら、「冷たいものと温かいもの」「肉と魚」などを組み合わせると、お店のいろいろな味が楽しめていいかもしれません。同じような味のソースや材料、調理法が重複しないほうがバランス良くおいしく楽しい食事になります。
Q.クロスにパンのカスやソースが! きれいにしたほうがいいですか?
A.そのままで大丈夫ですが、洋服の袖など、自分についてしまいそうな場合、スタッフに伝えてきれいにしてもらうといいでしょう。
Q.食後にチーズやデザートワインなどをすすめられた場合、断ってもいいのでしょうか?
A.もちろん大丈夫です。どんな料理か気になる場合は、内容を聞くのもOKです。
フレンチも気負わずに、一番大事なことは「楽しく、おいしく食べること」
いかがでしたか? ルールが多いイメージのフランス料理ですが、こうやってマナーをおさらいすると、それほど難しいことはないと思います。それでも緊張しそうという人は、まずは気軽な雰囲気のビストロなどから行ってみるのもいいかもしれませんね。
今回教えてくれた方は……
▲『TERROIR Kawabata(テロワール・カワバタ)』シェフ・川端清生さん
本場フランスで料理を学び、国際料理コンクール「ボキューズ・ドール」日本代表の経歴を持つフレンチシェフ。ソムリエの資格も持っており、ワインについても造詣が深い。
TERROIR Kawabata(テロワール・カワバタ)
- 電話番号
- 050-3374-0789
- 営業時間
- ランチ:11:30~15:30(L.O.14:00)、ディナー:17:30~22:30(L.O.21:00)
- 定休日
- 毎週月曜日 第1火曜日 ※※公式HPの営業カレンダーをご確認下さい
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。