フランス料理に欠かせないもの、それはワインと郷土料理
世界各地にそれぞれの土壌を生かしたお酒があるものだが、フランスと言えばやはりワインとシャンパン(シャンパーニュ)という印象が強い。
そんなワインやシャンパーニュはフランス人の食生活に欠かせないものとなっており、お祝い事や週末の食事ではもちろん、毎日欠かさずいただく人の割合も多いという。
フランスを代表するお酒「シャンパン」は、実は「シャンパン」という名を名乗れるのはごく一部。フランスのシャンパン=アルデンヌ地域圏(シャンパーニュ地方)で採れたブドウのみを使って造られたスパークリングワインのみに「シャンパン(シャンパーニュ)」の名を用いることができるのだ。
発泡性があり、口当たりの爽やかなシャンパンは料理との相性もよく、地元のシャンパーニュ地方では料理にも使われることが多い。
そんなシャンパーニュ地方の郷土料理が楽しめるお店が、東京駅直結とアクセスもよく、人気の飲食店が数多く入る「新丸の内ビルディング」にある。それが『ル・レモア』だ。
赤いドアはまるでパリの洒落たビストロ。入るとシャンパンがズラリ!
商業施設内の店舗とは思えないような、まるでパリの路面にあるお洒落なカフェやビストロ風の赤いドアが印象的な外観。
中に入るとすぐ、有名なシャンパンから、シャンパーニュ地方の地元ワイナリーのものまで、さまざまなボトルがズラリと並んでいる。
実は店名の『ル・レモア』はシャンパーニュ地方にある「ランス」という地域の、“地元っ子”を指す呼び名だそう。この地は『ル・レモア』をプロデュースしている『レストラン ランス YANAGIDATE』のシェフ・柳舘功さんの修業先であり、その思い出から店名をつけたのだとか。
そんな『ル・レモア』が提案するドリンクは、やはりシャンパン! 料理もシャンパンに合うものをメインに出しているそうだ。
今回はそんなシャンパンに合うシャンパーニュ地方の郷土料理を、『ル・レモア』料理長の坂本裕治さん(写真上)にご紹介いただいた。
シャンパーニュ地方料理の特徴は?
シャンパーニュ地方はパリの東側に位置し、北部のアンデルヌ山地でベルギトの国境に面する位置にある。
シャンパーニュ地方は大きく3つに区切られ、中央部は小麦や大麦などの栽培を中心に、東部は牧畜、西部はブドウの栽培が主に行われている。
また、ワイン生産地としてはフランスの中で最も北にあり、有名なワインがその地名にもなっている「シャンパン(シャンパーニュ)」だ。
しかしその名を名乗るためのルールは厳しく、使用するブドウの種類や、毎年定められた最低アルコール度数の規定があったり、醸造方法や熟成期間なども厳しく決められ、それを守ったもののみ、「シャンパン」の名を名乗ることができる。
しかし、「シャンパン」という華やかな印象とは逆に、郷土料理は煮込み料理やシンプルにグリルしたものなど、素朴なものが多い。
多用される食材は、牧畜が盛んな地域らしく鶏肉や豚肉、また海に面していないためセーヌ川、エーヌ川でとれる、サーモンや鰻といった川魚が中心だそうだ。
【主な郷土料理】
マトロート(川魚を赤ワインで煮たもの)、ジビエ料理、シャウルス(チーズ)、シャンパーニュ風ポテ(塩漬け豚やソーセージ、野菜の煮込み)、ガトー・モレ(クグロフ型で焼いたブリオッシュ)、パン・デビス(スパイス風味の焼き菓子)など
シャンパンを使ったシャンパーニュ郷土料理とは?
『ル・レモア』では、シャンパーニュ地方の料理以外にも幅広いフランス料理を提供しているが、今回は特別にシャンパーニュ地方にスポットを当てた料理を出してもらった。
▲りんごとクルミとシャウルスのサラダ
シャンパーニュ地方の特産品であるシャウルス(チーズ)を大ぶりにカットし、メインに据えたシンプルなサラダ。
フレッシュな野菜、クリスピーなくるみ、まったりとした口当たりのシャウルス。それぞれ違った食感の組み合わせが楽しく、フレッシュでクリーミーなシャウルスの味わいを引き立てるシンプルな味付けが前菜にぴったり。
シャウルスはたっぷりとのせられているが、軽いのでいくらでも食べられそう! 甘しょっぱい組み合わせに思わず食が進む。
▲鶏肉のシャンパーニュ煮込み
シャンパーニュ地方でもよく食べられるという鶏肉を、骨付きで大ぶりにカットしたものを煮込んだボリューミーな一品。鶏肉、きのこ、エシャロットをバターでソテーし、鍋に移してシャンパンを加えて、じっくり煮込んである。
添えてあるのは現地では煮込み料理と一緒にいただくことが多いというバターライス。コクのあるバターライスと軽い酸味のある煮込み、ジューシーな鶏肉の相性がばっちり! もちろん合わせる飲み物はシャンパンがおすすめだ。
▲サーモンのソテー シャンパンのブールブランソース
フランス料理ではスタンダードなソースである「ブールブランソース(バターソース)」。本来は白ワインを使ったレシピが主流だが、こちらもシャンパーニュ郷土料理らしく、シャンパンを使っている。マッシュルームとエシャロット、シャンパンを煮込み、バターを加えて作っている。
バターソースというと重いイメージがあるが、後味は爽やかでほどよい酸味があり、素材の味を引き立てる名脇役といったところ。カリッと焼いたサーモンや野菜とよく合う。
「シャンパンは高価なお酒と思われがちですが、地元では安くておいしいものもたくさんあります。ですから、家庭でも料理にシャンパンを使ったり、デイリーに飲んだりすることも多いですね」(坂本さん)。
ディナーはもちろん、ランチやティータイムもシャンパンが楽しめる
▲シャンパン各種
やはりこちらの料理と合わせるなら、シャンパンで決まり! 有名メゾンのものから、現地で人気のコストパフォーマンスの高いものまで豊富にそろう。
また、料理に合わせたおすすめシャンパンも教えてくれるそう。ちなみにグラスシャンパンはハーフサイズもあり、ランチなどちょこっと飲みたいときにはおすすめだ。
コンパクトながら、すっきりとした店内は居心地バツグン! 奥の「R」のロゴマークが印象的な席は特別感がありデートにもぴったり。地図を模している壁を見ながら、『ル・レモア』でシャンパーニュ郷土料理とシャンパンのペアリングを楽しんでみてはいかがだろうか?
【メニュー】
ランチコース 1,800円、3,200円、4,800円、7,000円
ディナーコース 5,000円、5,800円、7,500円、10,000円
グラスシャンパン(ハーフ) 800円
グラスシャンパン 1,300円
他、アラカルトメニューや各種ドリンクあり
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税・サービス料別です
ル・レモア ~新丸ビル~
- 電話番号
- 03-5224-8771
- 営業時間
- 月~金 ランチ:11:00~16:00(L.O.14:30)、ティー:14:30~16:00(L.O.15:30) 土・日・祝 11:00~15:00(L.O.15:00)、15:00~17:30(L.O.17:30) 月~土 ディナー:17:30~23:00(L.O.21:30) 日・祝日 17:30~22:00(L.O.21:00)
- 定休日
- 無
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※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。