東京で育む季節の果実は甘みたっぷり! 東京屈指の果樹園『荘埜園』

2019年12月03日
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東京で育む季節の果実は甘みたっぷり! 東京屈指の果樹園『荘埜園』
Summary
1.柿やいちじく、レモンにみかん。四季折々の東京の実り
2.『荘埜園』の代表果実、柿。あまたの受賞歴を誇る黄昏の味覚
3.“禁断の果実”いちじく。産地で味わう繊細な甘さ

東京産の四季折々の果実!

東京・練馬の『荘埜園(そうのえん)』は、都市の飲食店に大地の実りを供給する作り手のひとつだ。
園を代表する柿や、ファン急増のいちじくを中心に、レモンやみかんなどを育て、一年中季節の果実が楽しめる。特に柿は、東京都農業祭の品評会で6年連続特賞受賞を誇る名農家である。

その姿を目にしただけで季節の到来を感じさせる。そんな魔法の力が果実にはある。

『荘埜園』で丁寧に育てられた季節の果実は、都内の飲食店やフルーツパーラーで重宝されている。柿は畑での直売やもぎとりができるなど、果実ならではの楽しみ方ができる。

代々受け継がれた畑で、60年程前から果樹を育て始めたが、販路の拡充や都市農業の可能性をさらに追求したのが、14代目の荘埜晃一さんである。
 
『荘埜園』が季節の恵みを託すお店の一つが、同じ練馬にあるイタリア料理店『ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ』。
『フィリッポ』の名で親しまれる同店もまた、世界ナポリピッツァ選手権で数々の受賞歴を誇る名店だが、都市農業を愛し、そのメリットを巧みに活かしている。

本稿では、都内にある新鮮な果実の生産地、『荘埜園』を訪れるとしよう。

柿園:都市部に溶け込む緑の楽園

ふかふかの緑の地面に、濃緑の柿の葉の天井におおわれた畑は、『荘埜園』が誇る柿園。木漏れ陽さしこむ都会のオアシスそのものだ。
都市農業は、都市部ならではのデリケートな部分もある。肥料などを撒く際は、風のない時、それも早朝にするといったように、農と住空間の共存を維持するために、非常に細かく気を配っている。都市農家の微細な営みの先に、緑の空間と、四季の地場食材の恩恵はある。

秋になり、濃緑の葉に黄昏色がさしてくれば、紅色の実りが収穫できる。

『荘埜園』では10種類もの柿を栽培し、中には60年も前からの樹もある。
東京都で育成された「東京紅」、「東京御所」といった珍しい品種も扱う。担い手は少ないが、東京の生産者として東京ブランドを広めたいという想いを込めて、大切に育てている。

大ぶりな「太秋柿」は甘みが特徴的である。独特な輪線模様が熟した証拠だ。

「固い状態と柔らかい状態。どちらもおいしいですが、お好みに合わせて楽しめるのが柿のいいところですね」と荘埜さん。自分好みの柿を求めて、直売所に足を運んでみてはいかがだろうか。

▲『フィリッポ』で料理された『荘埜園』の柿の姿を少しだけ御覧に入れたい。採れたての柿を贅沢に使用した、太秋柿のタルト

いちじく:人気急増中!都市農業ならではの繊細な絶品果実

『荘埜園』で栽培されるほとんどのいちじくは、フランス原種の白いちじく「バナーネ」だ。夏季に収穫される果実はかなりデリケートだが、繊細な舌触りで、甘みが強いのが特徴。とても傷みやすく、あまり流通にのらない希少種で、都市農業にうってつけの品種といえるだろう。
完熟したベストなタイミングで収穫され、最高に新鮮なものが『フィリッポ』などの飲食店や、フルーツパーラーで味わえる。

完熟すると茶色みを帯び、模様にひびが入ってくる。触った感触がポヨポヨで、いかにも繊細そうだ。ひと口頬張れば、上品な甘さと食感が舌に溶け込んでいく。

レモン:初秋に採れる、爽快な青レモン

『フィリッポ』から『荘埜園』へ作物のフィードバックをするのはもちろん、『荘埜園』から『フィリッポ』への提案もしばしば。

代表的な例は「間引きレモン」だ。果実を間引いたものは通常なら捨ててしまうが、それではもったいないと『フィリッポ』に相談したところ、間引きレモンが料理に使われるようになった。香り、酸味、苦みのバランスが抜群に良く、パスタやピッツァの中で存在感を発揮する。
プロフェッショナル同士の意見交換。こうした取り組みが、革新的な味覚を生み出していくことだろう。

「今、根強く残る都市農業は、その価値とニーズがどんどん高くなってきています。そんな中、こうして荘埜さんや都市農家さんに恵みを分けてもらえるのはありがたいことです」と『フィリッポ』のオーナー、岩澤正和さん。
地場食材の輪が、得も言われぬ食の魅力を醸し出す。

柿園での直売や収穫体験、『フィリッポ』をはじめとする飲食店の絶品料理。『荘埜園』の変幻自在な果実を味わいに赴いてはいかがだろうか。

取材:NKB farm 都市型農業研究員 石島秀彬

荘埜園(柿の収穫体験・直売)

住所
〒178-0062 東京都練馬区大泉町1-50
電話番号
03-3923-7700
営業時間
11月1日~12月初旬頃まで/12時~日没頃まで ※雨天時は休み ※天候や生育状況により前後する場合があります
定休日
不定休 ※電話でお問合せください
公式サイト
https://www.enjoytokyo.jp/life/spot/l_00044684/?fbclid=IwAR0j7ozaI3_8HbjgpIv5yl-Hze4TomJqYCi1ilGl25Xh2HhNwy_Y4FttVtg

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※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ

住所
東京都練馬区石神井町2-13-5
電話番号
050-5486-7890
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
12:00~15:00
(L.O.14:30)
17:30~23:00
(L.O.22:00)
定休日
木曜日
※木曜日が祝日の場合水曜日。その他不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/jnj5jvmp0000/

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