少し抑えた価格が嬉しい、昼夜営業の『鮨 ばんど』
鮨の名店、四谷『すし匠』から独立して10年。常連客に愛され、新宿御苑で存在感を放つ江戸前鮨店『匠 達広』が営む姉妹店が、近隣に2軒ある。そのひとつが2ブロック先にある『鮨 ばんど』だ。
黒い壁に木の引き戸、暖簾がかけられたエントランスは、『匠 達広』との繋がりを感じさせる。ここは大将、西達広さんのもと、腕を磨いてきた若手が中心に切り盛りする店。昼・夜とも営業しており、シャリやネタは『匠 達広』と同じながら価格帯がおさえめなのが嬉しい。『匠 達広』がスペシャルな日のご馳走なら、『鮨 ばんど』は普段使いしたい鮨店といったところ。
店内に入ってすぐ目に入るのはL字カウンター、真紅のシートがゆとりをもって8席並んでいる。入り口横には4人がけのテーブル席も(写真下)。
昼のメニューは「穴子ちらし」「ばらちらし」「特撰にぎり」のみ。夜はおまかせコースで『匠 達広』同様、握りとおつまみを交互に提供するスタイルだ。
コハダは酢〆めして数日寝かせ、味をまろやかに
魚の仕込みは『匠 達広』の技術を踏襲。福岡から届いた「コハダ」(写真上)は、塩と酢で〆めて、3日ほど寝かせている。
寝かせる時間は魚の状態によって変えているそう。皮目にすっと入った包丁が美しいカーブを作り、仕上げの煮切りが艶めく。身はやや弾力を感じながら、やわらかな酸としっかりとしたうまみが広がり、すっと喉を過ぎ去っていく。
鮮やかな色に目を奪われる「赤身の漬け」(写真上)。外側がほんのり白いのは、サクのままさっと湯通ししているから。酒やみりんで割った醤油に20〜30分漬けただけだから、中はクリアな赤のまま。
「昔の漬けは保存の意味合いが強かったけれど、今はうまみを引き出すため」と聞き、納得。マグロ独特の酸味が漬けによって際立ち、シャリとなじむ。後口は酸味よりうまみが残るからおもしろい。
これを求めて通う人も多い! 色とりどりの贅沢「ばらちらし」
昼の人気ナンバーワンメニュー「ばらちらし」(写真上)。一つひとつ丁寧に仕込まれたネタが、色とりどりに盛り付けられていて「海の宝石箱や〜」とどこかで聞いたようなセリフが頭をよぎる。
シャリの上に錦糸卵を敷き、10種類ほどのネタがのる。取材日は、春子鯛、クエ、金目鯛、えぼ鯛、スミイカ、ホッキ貝、コハダ、穴子、イクラ、ウニ。贅沢過ぎる。口の中でうまみが行き交い、つい無言で食べ続けてしまう。2020年2月から料金設定が変わり、より親しみやすい価格帯になるそう。「ばらちらし」の内容はそのときどきで変わるのでご容赦を。
スタッフには酒蔵で働いた経験者もいて、頼むとにぎりやつまみに合わせて日本酒をペアリングしてくれる。カウンターで楽しむ酒と肴。大人の階段を登る、第一歩を『鮨 ばんど』でぜひ。
鮨 ばんど
- 電話番号
- 050-5493-1055
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 12:00~14:00
(L.O.13:30)
18:00~23:00
(L.O.22:30)
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
『匠 達広』の真向かい。昼におまかせコースが楽しめる『西』
入り口の右上、板に『西』と書かれた表札のような看板が唯一の目印。知らない人は、一体何の店か迷いそうな佇まいだ。
ここは『匠 達広』の昼のステージ。ランチ時におまかせコースを求めるお客様を迎えたいと2019年に開店した。明るいうちから『匠 達広』の握りが食べられるのはうれしい。
石畳を渡り引き戸を開けると、茶室をイメージしたという和の空間に一気に引き込まれる。中央の板場を囲むように設けられたカウンターは8席。木と竹が贅沢にあしらわれ、廊下との境には日本瓦を編み込んだような曲線の壁もあり「素敵!」のひと言に尽きる。
天井から外の屋根につながって見えるデザインは趣があり、ここが新宿だということを忘れさせる。カウンターはヒノキ板に薄くコーティングがかかっており、『西』では赤ワインも楽しめるそう。
握りとつまみは夜のクオリティをそのままに!
『西』のメニューは、昼は握りのみのコース(10,000円)、夜は貸し切りで、つまみと握りを交互に供するおまかせコース(23,000円)を用意。そのスタイルは『匠 達広』と変わらない。
小ぶりながら味は濃厚な福岡の「イロハガキ」(写真上)は、生のままポン酢をかけてシンプルに。磯の香りが広がり、そのコクに驚く。
醤油をつけて焼いた「焼き白子」(写真上)は香ばしく、日本酒を求めてしまう味。表面はぷりっとしていて、噛むとまったり、速度遅めにとろけていく。ピリッと弾ける七味唐辛子がちょうどよいアクセント。
鮮やかな朱と白い身のシマシマが目を引く「車海老」(写真上)は、ほぼ毎日コースに含まれる人気のネタ。殻つきのまま串に刺して2分ほど塩茹でし、うまみを閉じ込め、殻を丁寧にむいて仕上げに煮切りをさっとひと塗り。弾力とやわらかさが混在し、うまみはしっかり。間違いない一品だ。
コースの中盤に出てくるのは、直径5cmほどの小皿にちょこんとのった「あん肝」(写真上)。醤油等で炊いたあん肝に薄切りにしたスイカの奈良漬が重ねられ、わさびをトッピング。あん肝はまったりとしていながら味はおだやかで、奈良漬独特の風味と塩気、スイカの食感がキリッと引き締める。
つやつやの「煮穴子」(写真上)は終盤で登場。ツメは穴子の骨でとっただしに醤油や三温糖を加えて煮詰めたもの。コクの深い甘みで、ふわっとした穴子の身を包み込む。まろやかな酸味のシャリと溶け合い、気づけば目を閉じて堪能してしまう。
夜は貸切のみ、酒の持ち込みも可能。プライベートな食時間を演出
『鮨 ばんど』同様、2020年2月からコースの料金設定が変わり、いくつか選べる料金設定になる。利用者としてはうれしいところ。
通常営業は昼だけだが、「夜は貸切のみ受け付けています。6名から(最大8名まで)利用可能なので、ぜひお声かけください」と大将。家族のお祝い事や海外から友達を招くときなど、プライベートな時間をゆっくり過ごしたいときにおすすめだ。
※夜は貸切営業のみ(内容は応相談)
※酒類を持参する場合は、別途持ち込み料が必要です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
西
- 電話番号
- 050-5493-1031
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~土
12:00~14:00
18:00~22:00
※6名様より貸切も受け付けております。お人数、日時等お気軽にお問い合わせください。
土
15:00~17:30
日曜日:要TEL
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
匠 達広
- 電話番号
- 03-5925-8225
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~土
18:00~23:00
(L.O.22:30)
- 定休日
- 日曜日
※2020年1月1日、2日、3日営業します。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。