カラフルな色彩のアートのような一皿に感動!名フレンチ『エラン ミヤモト』でコースのストーリーを楽しむ

ボンジュールフランス#5

2020年01月28日
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カラフルな色彩のアートのような一皿に感動!名フレンチ『エラン ミヤモト』でコースのストーリーを楽しむ
Summary
1.渋谷の名フレンチ『シェ松尾』で料理長を務めた実力派シェフが作るフレンチ
2.日本の四季の彩りを生かしたカラフルな一皿は身体に優しい味わい
3.フランス料理の華やかさを体験しよう! スペシャルディナーのご案内

名店出身のシェフが手掛ける恵比寿の隠れ家フレンチ『エラン ミヤモト』

「恵比寿ガーデンプレイス」からほど近い閑静な住宅街、緑が映える真っ白い壁に「MIYAMOTO」の文字が浮かび上がる、まるで個人宅のような外観のレストラン。そこが『エラン ミヤモト』だ。

オーナーシェフの宮本英也(ひでや)さんは、フランス料理の名店『シェ松尾 松濤本店』で料理長を務めた実力の持ち主。シェフ自身が厳選した食材の数々を、卓越した技術で調和させたモダンフレンチは、身体に優しい味わいで、グルマンのみならず多くの人たちを魅了している。

宮本シェフは、本場フランスでフランス料理と出逢って、シェフへの道を志すようになったという。帰国後、『シェ松尾』に入店。ギャルソンや下積みを経て、24歳の若さで副料理長に就任した。その後、マネジメント部門に移り、大阪や東京の新店舗の立ち上げに携わり、統括責任者として活躍。32歳の時、再び『シェ松尾 松濤本店』の厨房に立ち、料理長として腕をふるった。2015年、満を持して独立した後は、コンサルティング業にも携わりながら、『エラン ミヤモト』をオープン。

店名の“エラン”とは、「生命の躍動」や「飛翔」という意味。そんな自然の素材が持つ生命力あふれる一皿を作る宮本シェフの料理の魅力について迫ってみた。

がむしゃらにフランス料理に取り組んだ修業時代

――まずはフランス料理との出逢いについて教えてください。絵の勉強で訪れたフランスで、フランス料理と出逢い、すっかり魅せられたとお聞きしていますが、どのような体験をなさいましたか。

宮本:「私は絵画が好きで、絵を勉強するために16歳のときに渡仏しました。そこで、稼ぐためにアルバイトとしてフランス料理店で働き始めたことが出逢いのきっかけですね。中でも一番感動した料理はコンソメスープです。コンソメスープは沸騰させてアクをとるのですが、小さな気泡が底から湧いて、沸騰する瞬間に気泡がブワッと上がってくるんです。それがまるでシャンパンの泡みたいに黄金色に輝いていて、感動的な美しさですっかり魅せられてしました。それからですね、各地の有名レストランなどで働くなどして3年ほどフランスで過ごしました」

――帰国されて、『シェ松尾』で21年間ご活躍されましたが、そこでの経験は現在の『エラン ミヤモト』にどのように生かされていますか。

宮本:「働き始めて1年ぐらいして、キッチンで働くようになったのですが、そこには大勢のスタッフがいました。将来はシェフになりたいと強く願っていたので、若かったこともあり、眠る間も惜しんで、がむしゃらに働き、ひたすら勉強しましたね。ソースを担当していたときは5年ぐらい、ほとんど毎日、1日中ソースに向き合っていました。そのおかげで、色艶を見るだけで、味が口の中に湧いてきて、塩分や濃度、糖度などが判断できるほどになったぐらいです。そして料理だけでなくサービスやマネジメントも経験し、トータルでレストランについて考えることができるようになりました」

真っ白いキャンバスに描くように作り上げた『エラン ミヤモト』

――『シェ松尾』から独立をされ、2015年、恵比寿に『エラン ミヤモト』をオープンされましたが、どのような店にしようと考えられましたか。

宮本:「最初は、まったく何も決めていませんでした。内装のベースを白にしたのは、空間を広く見せるためでもあったのですが、キャンパスのように、ここから描いていけばいいと考えたからです。20坪くらいの小さな店ですから、お客様の反応を直に感じることができます。そういった反応を見ながら、一つひとつ作っていけばいいかなと思いました。この店は、新たな挑戦だったので、ゼロからやっていこうというのがコンセプトかもしれません」

――お料理はどのようなコンセプトで作られていますか。

宮本:「最初は、複雑な料理をずっと展開していたのですが、来てくださるお客様に合うように、どんどん変化させていきました。シンプルだけど、当店ならではのこだわりがあり、コース全体にストーリー性がある料理が完成してきたと思います。身近で当たり前に手に入るおいしい食材を追求したら、国産の野菜に行き着きました。ホタテやカニ、フォアグラといったメイン食材に、多彩な野菜を調和させた料理が特徴だと思います」

――メインとなる食材と野菜を調和させるとき、大切にされていることはありますか。

宮本:「やはりソースですね。野菜をふんだんに盛り込んだフレンチというと創作フレンチと考えられがちなのですが、ソースはフランスでの修業時代や『シェ松尾』で学んだクラシックな手法をベースに忠実に作っています。ただ、フレッシュなものと合わせるために、油分を極力使わないようにしています。野菜は水分が多いため、油分をはじいてしまい、味がぼやけてしまうものもあるからです。味付けはしっかりと、けれど油分は極力使わないため、身体にも優しいソースになっています」

――『エラン ミヤモト』の料理はカラフルという感想をよく聞きます。

宮本:「もともと絵が好きだったことから、色に興味があり、色のコーディネートなどについて勉強しました。学んだ知識を料理に生かせないかと思い、色をテーマにして料理に取り入れてみたらマッチしたんですね。同系色の素材だと、香りや味が似ていて、一皿の中の食材の色をそろえることで、味がまとまります。また、コース料理は幾皿も出てくるので、最後には何を食べたのか思い出せなくなることもありますが、一皿ごとの色を決めると、その色のイメージが印象に残ります」

時代にあった料理を考えていくことが料理人の使命

――飲食に関するコンサルティングの仕事もされながら、レストランを経営されていますが、これからのフランス料理についてどのようにお考えですか。

宮本:「飲食業界は、今、大変な時期を迎えています。今後は、高級レストランと低価格の飲食店に二極化していくと思っています。高級に位置づけられるフランス料理は、良質な食材をいかに集められるかが課題になってくるかもしれません。そういった食材を作る生産者も年々減っているからです。料理自体は今も昔も変わらず素材ありきだと思います。現代では、昔に比べて鮮度の高いものが手に入るため、古典をベースにしつつ、鮮度の良さを生かす調理法を取り入れていく必要があると思います。将来、鮮度の良い食材が手に入りにくくなれば、古典の保存食の手法が役に立つかもしれませんね。時代に合わせて常に考えていくことが、料理人の使命だと思います」

上質な食材が持つ豊かな生命力にあふれた至福の一皿

――『エラン ミヤモト』を代表するような料理をご紹介ください。

▲北海道のホタテ 黄人参 黄かぶ 黄ズッキーニ 黄トマト レモネード

宮本:「この料理のテーマカラーは黄色です。北海道サロマ湖のホタテの貝柱に黄色のオーガニック野菜を合わせています。黄色のイクラを散らしているのですが、これは「黄金イクラ」と呼ばれる、宮崎県産の尺ヤマメからとれる希少なイクラです。塩分が控えめで、クセもなく優しい味わいです。添えてあるソースは、レモネードとサワークリームで作った、ほんのり甘酸っぱさがあるもので、サフランで鮮やかな黄色に色付けしています。トッピングはマイクロクレソンというハーブ。どの料理にもポイントとしてハーブを添えています」

宮本:「日本の野菜は、西洋のものに比べてアクも味わいも弱く、茹でると栄養が抜けるだけではなく、繊維も柔らかくなって食感も悪くなります。そのため、テーブルに供する直前に蒸気で蒸し上げるようにしています。そうすることで、食感だけでなく、野菜の香りも残り、おいしさも倍増します。また、塩も直前にサッと振ります。塩が溶けて、野菜に染みこむ前に口にすることで、実際には塩分の量が少なくても、舌先には塩分を感じ、味をしっかり感じられます」

▲長崎の寒スズキ 芽キャベツ アスパラ 緑大根 ロマネスコ 水晶文旦

宮本:「長崎県産の寒スズキをポワレし、蒸し上げています。冬の寒スズキは脂のノリが弱いので、蒸し上げることで身を柔らかく、パサつかないように仕上げています。付け合わせの野菜は、蒸した後、焼き色を付けない程度にフライパンで軽く水分を飛ばして、味を濃縮。魚は繊細なので、野菜の香りを抑えるためです。ソースはグリーンペッパーの白ワインソース。グリーンペッパーは辛さがマイルドで、魚との相性がぴったりですからね。上に乗せているのは、水晶文旦とケッパー、タイム、タマネギなどを刻んだもの。フランス・プロヴァンス地方でホタテのムニエルなどにかけるソースをアレンジしています。最後に、バジルやパルミジャーノレジャーノチーズの味や香りを移したオリーブオイルをかけて、味に奥行きを出しています」

▲青森の鴨 黒舞茸 紫カリフラワー 紫大根 紫じゃが芋

宮本:「肉も素材によって調理法が異なります。牛肉は低温調理すると柔らかく仕上がりますが、鴨はローストして、一気に水分を凝縮し、味わいを濃くします。こちらの青森の鴨は、脂がしっかりのっていますが、クセがなく、噛めば噛むほどコクがあって、おいしいですよ。ソースは、黒トリュフを使った“ソースペリグー”というクラシックなもの。『シェ松尾』のスペシャリテ・牛肉のロッシーニにも使われるソースで、レシピもそのままです」

宮本:「野菜は、ニンニクの香りを付けながら焼き色を付けて、香ばしく仕上げます。全ての皿で野菜を使うので、様々な方法で調理して、食べ飽きないように工夫しています。こちらの料理もそうですが、無駄なことは一切せず、味が複雑になりすぎないように、素材が本来持っているおいしさに手を添えるような感覚で料理しています」

――赤、黄、白、緑と色鮮やかな皿が次々と現れ、目も舌も喜ばせてくれる『エラン ミヤモト』の料理。いつもにこやかな宮本シェフは、訪れる人々をまるで自宅にいるかのようにくつろがせてくれる。洗練されていながら居心地のいい空間で、ここでしか味わえない至福の料理をぜひ堪能したい。

フレンチガストロノミーを讃えるスペシャルディナーのご案内

宮本シェフが作る至福の一皿を味わえる、1日限りのイベントが2020年2月12日(水)に開催される。自然の恵みいっぱいの野菜とメイン食材が奏でる極上のハーモニーを楽しめる貴重な機会。フランス料理の奥深い魅力をぜひ体験しよう。

極上の料理に寄り添う至福のシャンパーニュ

おいしい料理を味わうひとときをさらに魅力的にするのは、やはり極上のワインやシャンパーニュ。今回のイベントで楽しめるのは「テタンジェ」のシャンパーニュだ。

「テタンジェ」は、世界中の高級レストランから愛されている、フランスを代表するシャンパーニュ・メゾンの一つ。1734年創業以来、社名に冠したテタンジェ家が経営する、今日では数少ない家族経営のメゾン。一番のこだわりはぶどう作りにある。自社所有畑の比率が、他のメゾンより高く、繊細でエレガントな独自のスタイルを象徴する良質なシャルドネを豊富に所有。これにより、安定した高い品質が保たれ、繊細で上品な味わいのワインが生まれる。

イベントでお楽しみいただける銘柄は「ブリュット レゼルヴ」。長期瓶熟成を感じさせる繊細な泡立ちと、ブリオッシュや桃などを思わせるアロマ、生き生きとした切れ味のある味わいを持ち、シャルドネ比率の高い「テタンジェ」の真骨頂が味わえるシャンパーニュだ。ホタテなどのシーフード料理と合わせると、フレッシュで洗練された果実味が食材の味わいを一層引き立てる。

テタンジェのシャンパーニュは、宮本シェフが手掛ける旬の食材を生かしたシンプルな料理とも好相性。シャンパーニュと極上の料理が奏でる至福のマリアージュを心ゆくまで楽しみたい。

▼テタンジェHP
http://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/

【イベント概要】
日時:2020年2月12日(水)
場所:エラン ミヤモト
参加費:15,000円(税込)/お1人様
特別ディナーコース
シャンパン(テタンジェ)、白・赤ワイン込

Elan(エラン)

住所
東京都渋谷区恵比寿3-28-7
電話番号
050-5487-0992
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
ランチ 12:00~15:30
(L.O.13:00)
ディナー 18:00~22:30
(L.O.20:30)
定休日
不定休日あり
※不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/5gemtcec0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。