札幌スパイスカレーの名店『エイトカリー』が東京・下北沢に上陸! 個性派カレー3種を実食レポート

2020年03月06日
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札幌スパイスカレーの名店『エイトカリー』が東京・下北沢に上陸! 個性派カレー3種を実食レポート
Summary
1.札幌の人気カレー店『E-itou Curry(エイトカリー)』が、カレー激戦区・下北沢に上陸!
2.創業者の多彩な飲食業経験が反映された、個性豊かな3タイプのカレーを提供
3.注目は、札幌で人気が高まりつつある「パキスタン無水カレー」

札幌スパイスカレーの名店が、ついに東京上陸!

北海道のカレーといえば「スープカレー」のイメージが強いが、カレー激戦区といわれる札幌では、大阪のスパイスカレーブームに刺激を受け、独自のスパイスカレーを出す店が近年増えつつある。

そんな北海道系スパイスカレーを代表する人気店『エイトカリー』(E-itou Curry/札幌市豊平区)が、いよいよ東京上陸。激戦区で知られる下北沢に、2号店を2020年1月6日オープンした。

『エイトカリー』の札幌本店は、さまざまな飲食業を経験してきたキャリア20年以上のベテラン料理人・伊東文博さんが、2016年に創業した店。

2号店のある場所は、小田急電鉄・京王電鉄「下北沢駅」東口から、茶沢通りに向かって徒歩3分。劇場やライブハウスが軒を並べるあずま通り沿いだ。「札幌スパイスカレー」という目立つ幟(のぼり)に、多くの人が足を止めていく。

選べるカレールーは3タイプ。辛さも8段階で調整可能!

カレー専門店といえば一般的に、「欧風」「南インド風」など、特定のカテゴリーに絞って提供していることが多い。

だが『エイトカリー』には、個性豊かな3タイプのカレールー(「元祖伊東さんのカレー」「スパイシーカレー」「パキスタン無水カレー」)があるのが大きな特徴。

まず、「ルー」の種類を選んだら、具材の異なる7~10種ほどの「メニュー」からお好みのアレンジをチョイス。最後に、8段階ある「辛さ」から好きなレベルを選ぶスタイルだ(「パキスタン無水カレー」は1種類のみ。

「創業者の伊東さんは、長年にわたってさまざまな飲食店を経験しており、各分野で熱心に研究を重ねてきた探求心の旺盛な人。『エイトカリー』のカレーは、そんな伊東さんの料理人経験の集大成なんです」

そう語るのは、下北沢店店長の田尻宗大さん(写真上)。

さっそく、3タイプのカレーの魅力を紹介しよう!

【1】札幌スープカレーとは対照的な濃厚さ!「元祖伊東さんのルーカレー」

ラーメン店のスープ作りを応用して作られたのが、「元祖伊東さんのルーカレー」(写真上/シュレットチーズをトッピング)。

本店創業者である伊東さんがラーメン店の料理人をしていた時、まかないで提供したのが始まりだという。味のベースは、鶏ガラ、手羽先、モミジ(鶏足)、豚骨、豚足など、コラーゲンたっぷりの食材をじっくりと16時間以上煮込んだ白湯スープ。

食材から溶け出したたっぷりのコラーゲンで、スプーンを傾けてもなかなか落ちない濃厚さに驚き! 濃厚なうまみに、北海道産タマネギの甘みが加わり、まさにコクの塊のようなカレーだ。

特徴的なのは、これだけコクがあり濃厚なのに、食べた後にもたれる感じが全くないこと。理由は、良質なオリーブオイルを使っていることにある。

「せっかく来てくださるお客さんには、体にいいものを食べてもらいたいから」と、同店では、カレーと付け合わせの揚げ野菜、トッピングの揚物すべてを、鮮度のいいオリーブオイルで調理しているのだ。

【2】鮮烈なスパイス感と芳醇な甘みを同時に感じる「スパイシーカレー」

2つ目は札幌風スパイスカレー「スパイシーカレー」。

鶏ガラスープと北海道産タマネギ、生姜、ニンニク、ニンジンなどの野菜と、リンゴ、マンゴー、白桃などのフルーツ、10種類以上のスパイスとで仕上げている。スパイスはしっかり主張しているが、フルーティな甘みもある親しみやすい味だ。

スパイシーカレーのバリエーションには7種類あるが、一番のオススメは「札幌スパイスカレー」(写真上)。

スパイシーカレーソースの上に、ダイス型にカットしたクリームチーズと、香ばしくローストした骨付き鶏もも肉、ニンジンのラペ(千切りサラダ)、素揚げした野菜が華やかに盛り付けられている。

骨付き鶏もも肉は、皮がパリパリで香ばしく、フォークで押すだけで身がひとりでにほぐれるやわらかさ! カスメリティ(中近東やインドなどを主な産地とするマメ科の植物の葉)のドライハーブとピンクペッパーが散らされていて、噛むたびに爽やかな刺激が口中に広がる

【3】鶏肉とルーが一体化!? “無水”なのに飲めそうな喉ごし「パキスタン無水カレー」

3つ目は「パキスタン無水カレー」(写真上)。

その名のとおりパキスタンでよく食べられているカレーだが、札幌では「無水カレー」の名前で親しまれ、近年、じわじわ人気が高まっているという。伊東さんがスープカレー店の料理人をしていた時、さまざまなカレーを研究した中で見つけたものだ。

パキスタン無水カレーはスープカレーとは対照的で、一切水を加えず、タマネギとトマトから出る水分のみで調理している。

「しっかり煮込んで溶けているので目には見えませんが、かなり大量のタマネギを使っています」(田尻さん)

最大の特徴は、骨付き鶏肉を、身がフレーク状になるまで数時間も煮込んでいること。鶏肉は、岩手県の岩木山麓で自然に近い形で育てられている「あべどり」を使用。鶏肉特有の臭みがない上品な味わいで人気の銘柄鶏だ。

食べて驚くのはその軽さ! 「あべどり」がそもそも低脂肪なうえ、調理に使用しているのがフレッシュなオリーブオイルなので、油のしつこさが全くない。まるで飲み物のようにスルスルと喉を通っていくが、鶏肉のうまみ、トマトのさわやかな酸味、タマネギの甘みはしっかり感じられる。

辛さは8段階の中でも辛めの「5番」を選んだが、爽やかな刺激を感じる程度。辛いものがそれほど得意ではない人でも、楽しめるレベルの辛さだ。不思議とあとをひく奥深いおいしさがあり、食べ終わったそばからまた食べたくなる。

「でしょう。このカレーを一度注文すると、その後はこればっかり食べるようになる人が多いんですよ(笑)。実は僕も、うちのカレーの中で一番好きなのがこのカレーなんです」(田尻さん)

トッピングも豊富!人気No.1は、洋食店での経験が光る「手仕込みハンバーグ」

これだけ個性の異なる3タイプのカレーが、それぞれ高いクオリティであることにも驚くが、同店のカレーの魅力はそれだけではない。

すべてのカレーに付いている、オリーブオイルのみで揚げている揚げ野菜(写真上)は、ほどよく歯ごたえを残した絶妙な火の通し加減で、野菜の甘みが油で増幅されている。この揚げ野菜にはファンが多く、「オリーブオイルで揚げた素揚げ野菜のカレー」(1,100円/スパイシーカレー)というメニューもあるほど。

また下北沢店では9種類からトッピングが選べるが、札幌本店の人気ナンバーワンは、注文を受けてから仕上げる「手仕込みハンバーグ」(写真上)。

「元祖伊東さんのルーカレー」のルーツがラーメン店時代のノウハウなら、このハンバーグには、伊東さんの洋食店時代のこだわりがつまっている。

手ごねによってたっぷり水分が閉じ込められたほぼ球形のハンバーグを割ると、中からは滝のように肉汁があふれる。その肉汁とご飯、カレールーを混ぜ合わせて食べると、さらにおいしさが倍増。カレー店なのに、洋食専門店並みのクオリティのハンバーグが食べられるのは得した気分。人気が高いのも納得だ。

お米にもこだわり! 特Aランクの北海道産「ななつぼし」を使用

食材は、北海道産をメインに、伊東さんが生産者にこだわって選んだものを取り寄せている。

特に自慢なのが、お米。「日本穀物検査協会」の食味試験で8年連続最高ランクの特Aを獲得している、雨竜産の減農薬米「ななつぼし」を使用しているのだ。カレーと同時に、ぜひお米にも注目して味わってほしい。

「北海道のうまいものを、カレーで伝えていきたい」

下北沢店店長の田尻さんは、北海道出身の28歳。創業者の伊東さんと父親の仲がよかったため、伊東さんが作る料理に親しんで育ち、中でも『エイトカリー』の大ファンだったそう。スイーツ関係の仕事をしていた時に、伊東さんの「『エイトカリー』を東京にも広めたい」との想いを知り、「ぜひ自分にやらせてほしい」と申し出て、本店で修業を積んだ。

「下北沢はカレー激戦区ですが、カレー好きが集まる場所で選ばれたら、評価の重みが違うと思って、あえて挑戦しました」と田尻さん。早くもリピーターが増え続けており、そんなお客のためにもメニューを増やしていきたいとのこと。

「東京に来てから、『北海道のおいしいものを教えて』とよく聞かれるんですが、それで気が付いたんです。北海道って、おいしいものしかないなと。おいしくて安心して食べられる北海道の食材の魅力を、僕が惚れ込んだカレーを通して東京に広めていけたら最高ですね」(田尻さん)

【メニュー】
<カレー>
元祖伊東さんのルーカレー 800円
スパイシールーカレー 800円
スパイシーカレー/札幌スパイスカレー 1,200円
パキスタン無水カレー 1,000円

<トッピング>
シュレットチーズ 100円
チェダーチーズ 100円
納豆 100円
きのこMIX 200円
もち豚の角煮 300円
煮込みチキン 300円
ナン骨 300円
ハンバーグ350円
カツ 500円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込みです

『E-itou Curry』(エイトカリー)

住所
〒155-0031東京都世田谷区北沢2-9-17
電話番号
03-6265-5888
営業時間
平日11:00〜15:00(L.O.)17:00〜20:30(L.O.)、土・日・祝11:00〜20:30(L.O.)
定休日
水曜日
公式サイト
https://www.instagram.com/eitoucurry.smkt/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。