代々木公園にオープンした、瀟洒なイタリアン『LUCE(ルーチェ)』
食とカルチャーは密接な関係にある。洗練されたインテリアがそろった空間で、耳に馴染む音楽を聴きながら食事をすれば、おいしいものが一層おいしく感じられる。そして何より居心地のよさゆえ会話も弾み、知られざるワインとの出逢いもより楽しく思えるだろう。
2019年12月、代々木公園にオープンしたイタリアン『LUCE』も、空間、音響ともに心地よさは満点。常時約30種類のアラカルトメニュー、約100種類のワインをそろえており、食の楽しさも存分に味わえる一軒だ。
しかも、オーナーの岩崎慶人さんがストリート系のアパレル出身であることから、ヒップホップアーティストのDABOさんがイラストを描いた「LUCE×DABOコラボレーションロングT-SHIRTS」を店内で販売するなど、他店にはない特徴もある。
イタリア郷土料理に合わせてイタリアのナチュラルワインを豊富にオンリスト
アパレル時代からおいしいものもワインも大好きだったため、1店舗目として立ち上げた『スペイン料理と自然派ワイン LUZ(ルース)』(三軒茶屋)では、自身お気に入りのスペインワインを多くそろえていたというが、今回、2店舗目となる『LUCE』には、行きつけのイタリア料理店で料理を担当していた西村崇光シェフを招集し、西村さんの料理に合うイタリアワインを豊富にオンリスト。
料理も、イタリアの郷土料理をベースとしたメニューが多彩にそろっている。
前菜の中でもとりわけ人気なのが、“もの凄い鯖”を販売する『越田商店』のサバを使った「サバとセロリのサラダ」(写真上)だ。
サバやセロリ、ジャガイモを組み合わせたメニューが多いイタリア・パンテッレリーア島のメニューをベースとするこちらの料理は、エクストラバージンオリーブオイルとホワイトバルサミコで和えた爽やかな味。サバのほかに、セロリ、赤玉ネギ、ジャガイモ、オリーブ、ドライトマトと具だくさんで、たっぷりとトッピングされたドライオレガノが絶妙に心地よい一品だ。
「青りんご系の果実味があるワインや、ドライで軽やかな白ワインと相性がいいですよ」と西村さん。前菜からワインがどんどん進んでいく。
玉子のソースをまとったホワイトアスパラは、コクっとした赤ワインとも相性抜群
こちらは「ホワイトアスパラと玉子のソース」(写真上)。ボイルして芯までやわらかくした後、バターでソテーして焦げ色をつけたホワイトアスパラにかかっているのは、赤ワインヴィネガーをベースに、茹で卵ペーストを加えたソースだ。茹で卵は食感が残る程度にカットされているので、タルタルソースのように食べごたえがある。
イタリアのハードチーズ「グラナ・パダーノ」とイタリアンパセリもよいアクセントとなり、こちらもワインがくいくい進んでしまう。ぴったりな一杯を尋ねてみたところ、「コクっとしたワインが合うと思います」と西村さん。「ただ、感覚は人それぞれだから、お客さん一人ひとりが好きなマリアージュを見つけることも楽しんでほしいですね」と笑みを見せてくれる。
トスカーナの人気店のメニューを再現した鶏肉メニューは熱々ジューシー
メインメニューからは「さつま純然鶏ムネ肉のバターソテー」(写真上)をご紹介。
塩コショウした鶏肉に粉をはたいて全卵にくぐらせた後、バターで揚げ焼きしたジューシーな一品。元となったメニューは、イタリア・トスカーナにある名店『トラットリア ソスタンツァ』で実際に提供されているもの。イタリアの味に近づけるべく、鶏は、野性味が感じられるさつま純然鶏をチョイスしている。
じゅうじゅうと音を立てながら鉄鍋ごと運ばれてくるので、熱いうちにカットして、焦げ色がついたバターに絡めながらいただくとなんとも幸せな気分に浸れる。オレンジ系や醸し系をはじめとする深みのあるワインと相性ぴったりなメニューだ。
ニンニク、アンチョビ、カラスミのアクセントがやみつきになるスパゲッティ
パスタメニューも豊富にそろう。春を感じる「芽キャベツとカラスミのスパゲッティ」(写真上)は、旬の芽キャベツやミニトマトがゴロゴロと入った、愛らしい見た目も特徴的な一皿。
味付けはオイルベース。ニンニクとアンチョビ、貝のだしがきいているため、余計な調味料は加えずとも、カラスミの塩分だけでちょうどいい塩梅を楽しめる。カラスミが大量にトッピングされているため、熟成した赤ワインと合わせて、最後まで豊潤な味わいに酔いしれるのがいいだろう。
食と文化の融合がたのしすぎ!
おいしい食べ物とおいしいワインが大好き。そうしたふたりの共通点から生まれた同店だが、岩崎さんはスペインのワインやファッションをはじめとするカルチャーに精通していて、西村さんはイタリア料理をもっとも得意とするため、お互いの趣味や興味がいい具合に融合している点もユニークだ。
「100種類のワインのうち7~8割はイタリアのナチュラルワインだけど、スペインのものやフランスのものも常備しているんです。この店でスペインワインの魅力を知ってくれたお客さんが『LUZ』に足を運んでくれてもうれしいし、これからもいろんな新しいことを考えて形にしていきたいですね」と岩崎さん。
近い将来、出身地である福岡にも出店を予定していると教えてくれたが、これからも、飲食やアパレルの枠を超えて、さまざまなジャンルの魅力を融合させながら、わたしたちを楽しませてくれるに違いない。
【メニュー】
サバとセロリのサラダ 1,200円
ホワイトアスパラと玉子のソース 1,500円
さつま純然鶏ムネ肉のバターソテー 1,500円
芽キャベツとカラスミのスパゲッティ 1,500円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
LUCE -ルーチェ‐ イタリア郷土料理と自然派ワイン
- 電話番号
- 050-5488-3690
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- ディナー 18:00~翌3:00
(L.O.2:00、ドリンクL.O.2:30)
- 定休日
- 火曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。