鮨好きなら絶対に行くべき!東京の「鮨の名店」8選
東京の「鮨の名店」はおまかせコース1本で勝負するお店も少ない。そこには大将の想いはもちろん、コースの構成と流れが最高のおいしさがストーリーとなって展開されている。握りも一品料理も完成度の高い鮨店ならではの表現ともいえる。
そこで本稿では、おまかせコースや、握り&つまみを軸に提供する、東京の「鮨の名店」を8店紹介。鮨好きのみならず、これから鮨の世界に足を踏み入れる方にもおすすめだ!
【1】大将は魚屋から鮨の世界へ! 白金高輪『鮨まつうら』
白金高輪にある『鮨まつうら』は2019年9月にオープン。大将の松浦修さんは、元は魚屋に勤務していたという経歴の持ち主だ。魚屋で毎日魚を捌いているうちに、魚を捌くことが大好きになり、鮨職人の道へ。そして『銀座 鮨 おのでら』『鮨来主』などで修業を積んだ。
『鮨まつうら』の鮨や一品料理は正統派。つまみの「岩手県産 黒鮑」(写真上)はアワビのうまみを生かすため、お酒と昆布、塩で蒸しただけ。ひと口噛むと驚きのやわらかさを感じ、アワビ独特のうまみが喉を突き抜ける。この食感は4時間、静かな火で蒸すことで実現するそうだ。素材を生かしたシンプルな味こそ、時間のかかるものだと痛感する。
スペシャリテは、「長崎県対馬産 穴子」(写真上)。こちらの穴子は、ちょっとやそっとの鮨屋では仕入れることができない仲買『株式会社ウエケン』のもの。特に穴子の見極めに長けており、「穴子といえばウエケン」と称されるほど。ツメ(甘みのあるタレ)は塗らずに、塩でいただくスタイルだ。食べたことがないほど穴子自体の味が澄み、甘みがある。この味ならツメはむしろ不要。ネタとシャリの間にほんのりしのばせた柚子の風味もいいアクセントになっている。
正統派の鮨を求めてますます人気が高まりそうな『鮨まつうら』。鮨好きの人から初心者まで、ゆったりした雰囲気は誰もがくつろげることだろう。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
鮨まつうら
- 電話番号
- 050-5492-7882
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- ランチ 12:00~14:00
(L.O.13:00)
ディナー 17:00~23:00
(L.O.20:30)
完全予約制
(ランチは前日昼までにご連絡ください。)
- 定休日
- 日曜日
祝日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【2】『すし匠』の伝統を受け継ぐ、新宿御苑『匠 達広』
新宿御苑駅から歩いて数分にある『匠 達広(たつひろ)』。切り盛りするのは大将の西達広さん。地元・金沢の和食店に端を発し、東京都内の鮨店数店を経て、鮨の名店、四谷『すし匠』で5年ほど修業を重ねた人物だ。
同店のおまかせコースは、腕を磨いてきた『すし匠』の伝統を受け継ぎ、握りとおつまみを交互に提供するスタイル。酒が進むひと口サイズの肴が供され味に浸っていると、まろやかな酸味のシャリに旬の魚が品よくのった握りがパッと登場する。次は何が出てくるのか、そのワクワク感がたまらない。
「鰯の磯辺巻き」(写真上)は、同店のつまみの定番。脂ののったイワシを塩と酢で〆めて、ガリ、大葉、キュウリ、ゴマをのせて海苔で巻き寿司のように包む。味わうと、とろける脂の中から、ほんのり甘酸っぱいガリが爽やかさを放ち、絶妙なバランスだ。
握りの一貫目は決まって「春子鯛」(写真上)。丁寧な仕込みから江戸前の技を感じるスペシャリテだ。漁場を変えながら年間を通して提供しており、取材日のものは九州・福岡から。塩で〆めて、酢おぼろをふって半日漬けた身は、ほどよくしまっていて噛みしめるとうまみが広がる。全体にまぶされ、仕上げにもぱらりとふられるのは、卵黄を酢で炒った酢おぼろ。皮の切れ目から見える鯛の身のピンク色とのコントラストがいい。
コース自体ボリュームがしっかりあるが、もっと食べたいときは大将へ声をかけるといい。シャリの大きさなども要望に合わせてくれるので、気軽に相談し自分なりに楽しむのがコツ。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
匠 達広
- 電話番号
- 03-5925-8225
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~土
18:00~23:00
(L.O.22:30)
- 定休日
- 日曜日
※2020年1月1日、2日、3日営業します。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【3】ランチなら2,000円! テラス席でコスパ最高の江戸前寿司を喰らう、築地『鮨しづめ』
築地の老舗鮨店で修業した大将が、、手間を惜しまないおもてなしの心で握る本格寿司が食べられる『鮨しづめ』(築地)。
古民家をリノベーションした店内は大きなカウンター席、個室、テーブル席、そして中庭に設けたテラス席で構成。いろいろなシーンに対しても、気軽に訪店できる寿司店とあって人気を博す鮨の名店だ。
店主のこだわりは、ネタの切りつけ、シャリとのバランス。仕入れた魚の具合を見てから、下処理や切りつけ、仕込み方法を考えているそう。そのネタを主役として引き出すために、シャリの大きさもネタごとに調整している。
写真上・左は「中トロ」。年間を通しておいしいマグロを提供するため、海が荒れることで魚の身が引き締まり、脂が豊かになる10~11月に獲れたものだけを使用。驚くほど細かい包丁目の入った大トロはシャリと合わせて口に入れるとサッと脂がほどける口当たりだ。
鮨ツウに人気が高い「赤貝」(写真上・左)はそのおいしさから分かるとおり、人気が高い熊本県産のもの。こちらはお店で剥いた赤貝を塩でもみ洗いし、氷水でさっと洗って身を締めているが、その力加減こそ極上の味を左右する決め手となるのだとか。
そんなお寿司は、ランチならチラシとして2000円から用意。鮨の初心者でも気軽に訪店できるので、ぜひ予約して訪れてみて。
鮨 しづめ
- 電話番号
- 050-5488-4722
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~土・祝前日・祝日
ランチ 11:30~14:00
(L.O.13:30)
月~土
ディナー 17:30~22:00
(L.O.21:30)
- 定休日
- 日曜日
第2月曜日、第4月曜日
※祝日は通常通り営業いたします。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【4】本格寿司が10,000円以下で楽しめる!『上野 榮(さかえ)』
”名店”という名にふさわしいハイクオリティの寿司にもかかわらず、コスパよく美味しい寿司を食べるなら『上野 榮(さかえ)』がおすすめ。なんと、お試しコースは9,000円、おまかせコースは12,000円と非常にリーズナブルなのだ。
そのコースは定番のおつまみ「季節の4点盛り」(写真上)からスタート。内容は季節や仕入れごとに変わり、その時の旬の味を少しずつ楽しめる構成で、ひと工夫ある味わいが実に楽しく、一品ずつ、あれもこれもとつまんでいるうちに思わず、お酒も進んでしまう。
寿司王道「マグロ」(写真上)も食べたい一品。取材時は名産地・宮城県塩釜産のもので、豊洲市場で厳選したネタだけを仕入れているそうだ。ちなみに、シャリは赤酢をベースに、酸味・塩味・まろやかさのバランスがよく、スッとした細めのシルエットも食べやすくとてもいい。
同店は高級感たっぷりのカウンター席のほか、プライベート感のある個室も完備しているので、落ち着いた大人のデートにもぴったり。ぜひ予約して訪れてみて。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
上野 榮~さかえ~
- 電話番号
- 050-5488-0846
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- ディナー 17:00~23:00
(L.O.22:00)
※最終入店時間が21時となります。
ランチ 12:00~14:30
- 定休日
- 無
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【5】名店『海味』の魂を感じる! 外苑前駅『鮨 龍次郎』
外苑前にある『鮨 龍次郎』は、2019年11月にオープン。初めての来店なら、格子戸を開くまではいささか緊張するだろうが、大将の中村龍次郎さんが親しみあふれる笑顔で迎えてくれるので、ふっと力が抜ける。
大将は、金沢市内の有名鮨店『葵寿し』(2019年に閉店)で、基礎からみっちり5年間修業。その後、銀座界隈の鮨店で働き、『ミシュランガイド東京』の二つ星の名店『すし処 海味(うみ)』の門を叩いた。そこで生涯の師匠となる長野充靖さんと出逢うが、2015年に長野さんが他界。悩んだ末に2代目として『海味』を引き継ぎ、4年間大将を勤めた。そして2019年11月に『海味』を卒業、念願の独立を果たした。
おまかせコースは通常ツマミ8品、握り12貫からなり、最初の一貫は決まって本マグロの中トロを握る。その後は、つまみを先に供する王道のスタイルだ。長崎県壱岐の「マハタ」(写真上)は、透明感にうっとりする高級白身魚に、静岡県御殿場産の生ワサビが添えられる。
つまみの後はいよいよ握りがスタート。シャリは濃厚なマグロに合わせて、赤酢や米酢など3種をブレンドした寿司酢を使い、通常よりも酸味が立った仕上がりに。米は、北海道産「ななつぼし」の古米を主体に、もう一種類別銘柄の米を混ぜ、かために炊き上げる。そして醤油は木桶で醸されたコク深いものを取り寄せている。
龍次郎さんが大事にしているのは、鮨の技術以上に、お客さんを大切にする鮨職人としての心意気。すでに心を握られる常連客が増え、次回の予約をして帰る人も多い。一度は訪れたい「鮨の名店」だ。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
鮨 龍次郎
- 電話番号
- 050-5492-6729
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- ディナー 18:00~23:30
ランチ 12:00~14:00
- 定休日
- 日曜日
祝日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【6】韓国出身の大将が日本で修業を積んで独立! 麻布十番『すし家 祥太』
麻布十番に誕生した『すし家 祥太』は、鮨好きのグルマンたちの間で話題を呼んでいる。店主の祥太さんは韓国出身。漫画『将太の寿司』を読んだことで寿司の世界に憧れ、韓国でナンバーワンと言われる鮨屋で働き始めた。しかし、本場日本で修業したいという想いが強くなり、ツテもなく単身日本へ。
そして銀座『鮨かねさか』で、寿司にあこがれて日本に来たことや、寿司を学びたい気持ちを伝えると、オーナーの金坂真次氏に会えることになり、トントン拍子で『鮨かねさか』で修業することが決まった。ホール担当から下積みを始め、お客の前で握らせてもらえるようになったのは修業5年目のこと。やがて『鮨かねさか』の系列店で、予約困難と言われる赤坂『鮨 一新』の二番手を務めるまでになる。そして、満を持して32歳の若さで独立。
おまかせコースは、小鉢2品の後、握り14貫が一貫ずつ、次々と出てくるスタイル。赤身と脂の色合いも美しい中トロ(写真上)は、温かいシャリがマグロの脂の溶け具合と絶妙にマッチし、とろけるような一品だ。
シャリはコースごとに炊き、使いまわしはしない。シャリに使う赤酢は、全体のバランスを考えて、香りもうまみも抑え目な熟成1~3年の若いものを使用。魚も、こちらのシャリに合わせて仕込みがされる。マグロの産地は、時季によって異なるが、できるだけ国産のものを仕入れるようにしているという。
あこがれの「将太の寿司」の原作者、寺沢大介先生も縁あって寿司を食べて以来、祥太さんを応援している。鮨に対する真摯な熱意が『すし家 祥太』の最大の魅力。余分なものをそぎ落とした、実質重視の本格的な鮨をぜひ楽しんでほしい。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
すし家 祥太
- 電話番号
- 050-5493-2723
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 夜の部 17:30~22:30
(17:30と20:00スタートの2部制) ※新型コロナウィルス感染拡大防止に伴う時短営業要請期間中におきましては、21時までの営業となります。詳細は店舗へお問い合わせください。
昼の部 12:00~14:00
- 定休日
- 月曜日
第1日曜日、第3日曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【7】和歌山県の幸を味わう! 広尾『すし良月』
広尾にある『すし良月(あきら)』は2019年11月にオープン。大将の前岩和則さんは、人気店の『すし匠まさ』の二番手を務めた実力派。独立にあたり自身の求める鮨を探して出逢ったのが、出身地である和歌山県の食材だった。
中でも「雑賀 吟醸赤酢」との出逢いは衝撃的で、そのマイルドさとスッキリ感のある深い味わいに魅入られたという。この赤酢をベースに、同じく和歌山県で作られた「三ツ星醤油」を使ったシャリは、シャープでスッと引くような後味があり、魚のうまみ・甘みを引き立てている。醤油の独特のにおいはせず、味の層にその余韻だけを感じさせる。
『すし良月』のスペシャリテは、和歌山県串本町産の「クエの蒸し鮨」(写真上)。薄切りにしたクエでシャリを包み、竹製のせいろで蒸し上げる。そして蒸しあがったらそのままカウンターに運び、ふんわり上がった湯気をまとったせいろのまま提供。ふたを開けるとふわ~っと温かさを感じ、クエの上品な脂が熱でほどよく溶け、それがシャリと混じり合い一体感のあるおいしさになっている。味付けに使ったポン酢も熱を通すことでよりまろやかになり、すばらしい三位一体の味だ。
スペシャリテはもうひとつある。それがコースの後半に出される“焼いた鮨”。取材時は「焼き鯖鮨」(写真上)。片面を1分くらいさっと紀州備長炭の炭火で炙り、仕上げに「三ツ星醤油」をスプレーでふきかけ、黒七味と振り柚子で仕上げる。ひと口めは香ばしさ、そして次に来るのは舌に心地いい温度で流れてくる脂のうまみ! 鯖鮨に温度を与えるとこのような新しい味になるのかと驚くことだろう。
地元の魚への愛情、そして和歌山県の恵みが生んだ調味料の探求、いつか地元に戻って鮨を握りたいという、大将の想いに満ち溢れた『すし良月』。そんな大将の鮨をぜひ味わってみてはいかがだろう?
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
すし良月
- 電話番号
- 050-3390-0121
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 17:00~20:00
(L.O.19:00)
- 定休日
- 月曜日
臨時でお休み頂く場合がございます
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【8】“日本で一番幸せな寿司屋”を謳う、銀座8丁目『銀座 坂本』
『銀座 坂本』は、銀座の中央通りの1本裏手、高級バーやギャラリーが立ち並ぶ華やかなエリア・銀座8丁目の金春通りに面したビルの5階にある。
“日本で一番幸せな寿司屋”を標榜する『銀座 坂本』は、訪れるお客への心配りが隅々まで満ちている。店内は段差がなく、完全なバリアフリー。カウンター席の後ろにあるロッカーは、お客一人一人に用意されていて、カバンからコートまでしまえる広さ。そしてパウダールームは優に個室一つ取れるほどの空間に、豊富なアメニティも揃うなど、ホテル並みの設備が整っている。
大将の坂本忍さんは、江戸前寿司の老舗『築地寿司清(すしせい)』で職人としてのキャリアをスタート。11年修業した後、若干29歳で独立すると、西麻布『おすしやさん』、六本木『PREMIUM』、渋谷・松濤『松濤 坂本』、苫小牧(とまこまい)市に『北海道 坂本』を続々とオープン。『銀座 坂本』は5店舗目となる。
メニューは、先付や刺盛、小鉢などの料理と握りの両方が楽しめるコースと、握りのみを堪能するコースがある。予算や品数、好みなどに応じて構成してもらうこともできるので、相談してもいいだろう。ちなみに、取材時の握りは、トロ、クエ、赤身漬け、アジ、車海老、煮ハマグリ、いくら、ウニといったラインナップ。上質な脂のうまみがにじむトロ、うっすらとした霜に仕事の丁寧さがうかがえる赤身漬け、噛むほどに上品な甘さが広がる車海老など、舌が喜ぶものばかり。シャリには、銀座の有名レストランなどが御用達の米店が寿司用に選んだ米を使用。1年寝かせた米は、粘度がちょうどよく、ほろっとほどける。
『銀座 坂本』は待ちかねたように、坂本さんのファンが多数訪れている。銀座にふさわしい極上の鮨を、ぜひ楽しんでいただきたい。
※営業時間などの情報については店舗にご確認ください
銀座 坂本
- 電話番号
- 03-6280-6222
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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