作り置きすればアレンジ自在!「じゃが玉にんじん」を活用しよう
外出自粛にともない家にいる時間がとても長くなり、日々の“自炊疲れ”がじわじわたまってきている今日この頃。
「毎日、献立を考えるのにもう疲れた…」という方にぜひおすすめしたいのが、人気料理家・山本智香さんが提案する「じゃが玉にんじん」。
そのままでおかずになるのはもちろん、ひと手間加えれば、カレーやポトフ、肉じゃがなどに即アレンジ可能! 作り置きしておけば、毎日の献立作りに一役買ってくれること間違いなしの一品だ。
「山本式・弱火調理法」とは?
「じゃが玉にんじん」を失敗なく、より簡単に作るために役立つのが「山本式・弱火調理法」。
予熱をしていない鍋にオリーブオイルをひき、塩を振って食材を入れ、ぴったりしまる蓋をして弱火で加熱するだけの簡単テクニックで、鍋をゆすったり、かき混ぜたりする手間も不要。
弱火で加熱するので油を酸化させづらく、いろいろな食材が驚くほどおいしく仕上がるのだ。
⇒「山本式・弱火調理法」について詳しく知りたい
そのまま食べてもおいしい! 基本の「じゃが玉にんじん」の作り方
それではさっそく、山本式・弱火調理法を使った基本の「じゃが玉にんじん」の作り方を紹介しよう。
醤油やマヨネーズをかければそのままおかずになるほか、肉料理の付け合わせやお味噌汁の具材としても大活躍。冷凍保存したい場合はジャガイモの代替として里芋やカボチャを使用するのがおすすめ。
▼材料(4人分)
・タマネギ … 1個
・ジャガイモ … 2~3個(男爵なら3個、メイクイーンなら2個)
・ニンジン … 1/2本
・オリーブオイル … 大さじ2
・塩 … 小さじ1/3
▼作り方
①タマネギ、ジャガイモ、ニンジンは食べやすい大きさに切る。その際、ニンジンは気持ち小さめに切る。
②予熱をしていない鍋にオリーブオイルをひき、塩を振って、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンの順に重ねる。
③なるべくぴったりしまる蓋をして、15~25分程度弱火にかけ、素材に火が通ったら完成。
▼ポイント
・ニンジンは一番火が通りにくいので、他の材料より小さめに切っておく。
・③の加熱時間は、そのまま食べる場合は20分以上に。アレンジに使う場合は15~20分程度にすると煮崩れが防げる。
・2倍量で作る場合は、加熱時間を3~5分ほど長めにし、仕上がり具合を確認する。
基本の「じゃが玉にんじん」の作り方を押さえたら、おすすめのアレンジ方法も合わせてチェック! 「じゃが玉にんじん」をたっぷりストックしておけば、その日の気分で作り分け可能!
【アレンジ①】ソーセージのうまみでお酒が進む!「ドイツ風じゃが玉にんじん」
基本の「じゃが玉にんじん」があれば、数分でボリュームたっぷりのおつまみが完成。ブロックのベーコンを使ったり、ソーセージの量を増やしたりすれば、主菜にもなる。
▼材料(4人分)
・基本の「じゃが玉にんじん」 … 4人分
・ソーセージ(ベーコンでも可) … 200g
・オリーブオイル … 大さじ2
・ニンニク … 1かけ
・塩・胡椒 … 適量
▼作り方
①基本の「じゃが玉にんじん」を鍋に入れ、ソーセージ(またはベーコン)、ニンニクスライス(またはおろしニンニク)を上にのせる。
②なるべくぴったりしまる蓋をし、弱火で5分ほど加熱する。
③全体に火が通ったら胡椒を振り、味を確かめる。ソーセージの塩分が加わっていても味が薄いようならば塩を少々加えて味を調える。
【アレンジ②】牛肉を加えて、手軽に食べごたえアップ!「山本式肉じゃが」
基本の「じゃが玉にんじん」を作っておけば、お肉と水、調味料を加えて少し煮込むだけで肉じゃがが完成! 野菜が煮崩れすることなく、食感よく仕上がるうえ、お肉はしっとりやわらか。あまりのおいしさに、家族もびっくりすること間違いなし。
▼材料(4人分)
・基本の「じゃが玉にんじん」 … 4人分
・牛肉 … 150g
・酒、醤油、みりん … 各大さじ1~2
・だし汁(水でも可) … 適量
・生姜千切り … 適量
▼作り方
①牛肉は食べやすい大きさに切り、酒をかけておく。
②鍋に基本の「じゃが玉にんじん」を入れ、だし汁を野菜の高さの半分程度加え、醤油とみりんを加える。
③中火にして、だし汁が煮立ってきたら火を弱め、5~10分ほど煮る。
④牛肉を1枚ずつ加えて火を通したら、5分ほど煮て味をなじませる。
⑤生姜の千切りをあしらう。
▼ポイント
・牛肉を入れる時、一度に全部を入れず、1枚ずつ分けて火を通すとやわらかく仕上がる。
【アレンジ③】隠し味で、いつものカレールウがぐんとおいしくなる!「山本式カレー」
基本の「じゃが玉にんじん」があれば、食卓の定番カレーがあっという間に完成。安いお肉もとろけるような食感に仕上がる上、ヒミツの隠し味で、いつものカレールウが驚きのおいしさに変身!
▼材料(4人分)
・基本の「じゃが玉にんじん」 … 4人分
・水 … 4カップ
・お好みのカレールウ … 1袋(150g位)
・あればチャツネ(またはマーマレード、柚子茶など) … 大さじ1
・牛肉薄切り … 150g
・オリーブオイル … 大さじ3~4
・塩・胡椒 … 適量
▼作り方
① 基本の「じゃが玉にんじん」を鍋に入れ、水、カレールウ、チャツネ(またはママレードか柚子茶)を加える。
② ①を中火にかけ、煮立ってきたら火を弱め、5~10分ほど煮る。
③ 牛肉は塩・胡椒で下味をつける。予熱をしていないフライパンにオリーブオイルをひき、牛肉をのせる。火にかけて中火よりもやや弱火で軽く炒め、火が通ったらカレーに加え、5分ほど煮る。
▼ポイント
・牛肉を加熱する時、弱火でじっくり火を通し、9割ほど火が通ったところでカレーに入れると、なじみがよくなる。
【アレンジ④】鶏肉をプラスして、栄養バランス抜群!「しっとりチキンのポトフ」
基本の「じゃが玉にんじん」に鶏肉をプラスすれば、これひとつで栄養バランス◎な「ポトフ」が完成! 〆にパスタやご飯を入れたりと、さらなるアレンジも楽しい。
▼材料(4人分)
・基本の「じゃが玉にんじん」 … 4人分
・鶏もも肉 … 1枚
・塩・胡椒… 適量
・[A]水 … 6カップ
・[A]ローリエ … 2枚
・[A]塩 … 小さじ1/2
・好みで粉チーズ、パセリなど
▼作り方
①鶏もも肉は塩・胡椒をし、1枚を6~8切れくらいに切っておく。
②基本の「じゃが玉にんじん」を鍋に入れ、その上に鶏肉をのせ、蓋をして5分ほど弱火で加熱する。
③[A]を加えて中火にかけ、沸騰したら火を弱めてアクを取りながら20~30分ほど煮る。
④塩・胡椒で味を調え、お好みで粉チーズやパセリのみじん切りをかける。
▼ポイント
鶏肉の厚い部分に、包丁を寝かせて開くように切れ目を入れてからひと口大に切ると、火を通してもパサつかず、フワフワの食感に!
ごはん作りのストレスを減らして、心にゆとりを!
「山本式・弱火調理法」で作る「じゃが玉にんじん」は、ほったらかしで完成するうえ、アレンジ力が抜群! 外食しにくく、家事も子育ても仕事もetc…とマルチタスクが求められる今の時期を乗り切るために、ぜひ活用してほしい!
▼料理家プロフィール
山本智香(やまもと・ちか)
母は、1960年代から福岡県久留米市で看板のない小さな料理教室を主宰し、「山本式弱火調理法」を考案した料理研究家・山本千代子氏。小学生時代から料理教室で母の助手を務め、西南学院大学卒業後は母とともに料理教室の運営に従事する傍ら、日本女子大学通信教育課程・家政学部食物学科に進学し、現代栄養学、調理科学を学ぶ。著書に『ラクなのに美味しい驚異の弱火調理法』(著者 山本智香 監修 山本千代子 三空出版)、『おくるごはん』(著者 山本智香 三空出版)、『限りなくシンプル! とびっきりおいしい! 山本式弱火調理法レシピ 』(著者 山本智香 監修 山本千代子 講談社)がある。
※この記事は、『ラクなのに美味しい驚異の弱火調理法』(三空出版)をもとに編集部で再構成しました。
撮影/戸高慶一郎
取材協力/三空出版
記事執筆協力/桑原恵美子