2019年以降にオープンした、注目すべき和食店5選
厳選した食材を使い、丁寧にだしをとった日本料理は、この上ない幸せを感じさせてくれるもの。ひと口ひと口、ゆっくりと噛みしめながら堪能したくなる料理なら、大好きなお酒もいつも以上においしく感じられるものだ。
匠の技や心が詰まった日本料理を楽しめる店の中から、今回は、2019年にオープンした和食店をピックアップしてご紹介。器や空間にもこだわった和の世界観に、どっぷりと酔いしれてみては?
【1】約8品の「本日のお任せコース」がコスパ最高!『魚見茶寮』(恵比寿)
魚の鮮度にこだわる居酒屋『魚まみれ眞吉 渋谷店』で7年半にわたって修業した後、渋谷の名酒場『高太郎』のようなカウンタースタイルのお店を開きたいという夢を実現させた御幸佑亮(ごこうゆうすけ)さん。内装にもこだわり、内壁は自身で塗装。居心地抜群の『魚見茶寮』を造り上げた。
メニューは、コース、アラカルトともに用意しているが、店のイチオシは、その時季にもっともおいしい食材を種類豊富に楽しめる「本日のお任せコース」。4,800円と手ごろでありながら、約8品を堪能できるお得な内容だ。
その他、鰤しゃぶや蟹が主役の2コースの用意もあるが、どのコースでも最初の一品として提供されるのが、お店のスペシャリテでもある「甘鯛と生うに 奥飛騨キャビア蒸し鮨」(写真上)。甘鯛のお寿司にあんをかけ、ウニをトッピングして蒸し上げた後、キャビアを盛り付けた繊細な一品は、手間暇かけただしのおいしさにもはっとさせられる。
その後も、独立前に修業させてもらった中華バル『琉球チャイニーズ TAMA』の人気メニューをアレンジした「黒豚と海老のワンタン」、日本各地の新鮮な魚を一皿で堪能できる「お造り盛合せ」など、お酒が進むメニューが次々と登場。種類豊富にオンリストしている自然派ワインとのマリアージュをぜひとも楽しんで。
魚見茶寮
- 電話番号
- 050-5488-2811
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 17:30~24:30
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【2】店主はフレンチ出身! 毎月食べたくなる“まあるい味”に心がほっこり『元喜』(雑司ヶ谷)
フランス料理店で働いていた20代のころ、終業後に和食店でバイトすることから始めて、27歳にして本格的に和食の世界へと足を踏み入れた岡部藤夫さんが料理長を務める『元喜』。
フランス料理のエスプリが光る「ずわい蟹とカリフラワーのムース」(写真上)をはじめ、異色の経歴ならではのオリジナリティあふれる料理は見た目にも華やかで、写真におさめたくなること必至である。
看板メニューは、カリスマ魚職人として知られる前田尚毅さんが、『元喜』のために送ってくれる鮮魚を使った魚料理。刺身盛り合わせまたは単品の刺身は、同店を訪れるお客はもれなくオーダーするほど人気だ。
まろやかなコクを堪能できる角煮や、オープン当初から人気の土鍋ご飯は、心が和むやさしい味。「インパクトがパンとくる料理じゃなくて、ほっこりする“まあるい味”の料理を作りたい」という岡部さんの言葉通り、日常的に通って食べたくなる味が魅力だ。
元喜
- 電話番号
- 050-5488-2674
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月・火・木~日
ランチ 11:30~14:30
(L.O.14:00)
※炊きたての土鍋ご飯を提供している関係で、ご飯が無くなり次第終了とさせていただきます。
ディナー 17:00~24:00
(L.O.23:00、ドリンクL.O.23:00)
- 定休日
- 水曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【3】「だし」の真髄に触れたいならぜひ一度訪れたい!『一会(いちえ)』(御茶ノ水)
『ミシュランガイド東京2009』に一つ星で掲載されて以降、9年連続星をキープし続けた『広尾 一会』が御茶ノ水に移転。『一会』として再スタートを切った。
「どういう料理にすれば、素材の本質を引き出せるか研究し尽くしてきた」という店主の渡部純一さんの言葉通り、日本料理の基本である「だし」からして別格。しかも、一品ごとにだしを使い分けるほどのこだわりようだ。
お吸い物はもちろん、春の息吹が詰まった沢煮や、産地にもこだわった海の物、山の物、里の物を楽しめる八寸まで洗練されたうまみに満ちていて、からだの隅々の細胞まで目覚めていくようだ。
〆となるご飯物のみ、「米そのものの味わいを堪能してほしい」とだしを使わず炊き上げているのも粋なところ。
差し替えなし、1巡のみの1日3組完全予約制。静かな空間でゆっくりと一品一品と向き合う時間を楽しんでほしい。
日本料理 一会
- 電話番号
- 050-5488-9846
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- ディナー 18:00~22:00
(L.O.19:30、ドリンクL.O.21:50)
最終のご入店は、19時30分とさせていただいております。
ドリンクオーダーは、可能な限り閉店間際まで承ります。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【4】お客に寄り添う、グルメタウンの隠れた名店『麻布十番 お川』(麻布十番)
店主は、神楽坂や銀座、六本木などの和食激戦区で料理長を務めてきた小川貴久さん。独立後、曙橋駅近くの『和食 おがわ』で評判を確立した後、「もっとお客に寄り添う店をつくりたい」との想いから、サイズ感や立地が理想的な物件を見つけ、麻布十番で再スタートを切ることにした。
メニューはコースがメイン。基本のお任せコース8,500円は8品と品数多めなので、料理に合わせていろんな日本酒を試すのも楽しい。ご飯とデザートなしの「酒の肴コース」なら、旬食材を使った料理4~5品を5,000円で楽しめる。
季節の食材は、煮物にも焼き物にもたっぷり使っているため、見た目にも華やかなメニューが豊富。椀物は、枕崎産のかつお節、利尻産の昆布を使って丁寧にとっただしのうまみも圧巻で、日本酒がどんどんほしくなる。季節感いっぱいの焼き物は、食材ごとに異なる食感もまた魅力だ。
〆の土鍋ご飯も迫力満点。お腹も心も大満足で、「明日からもまたがんばろう」と思える店ゆえ、自分へのご褒美にも、大切な人との記念日にもぴったりだ。
麻布十番 お川
- 電話番号
- 03-5484-5810
- 営業時間
- 月曜~土曜17:00~23:00(22:00最終入店)
- 定休日
- 日曜日、祝祭日(予約可)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【5】魚料理と日本酒ペアリングが自慢! 隠れた名店『あさだ』(神楽坂)
銀座の割烹や都内ラグジュアリーホテルの和食店で修業後、神楽坂『くろす』、『樹』の料理長を経て独立した浅田隆明さんが店主を務める『あさだ』。
夜のおまかせコースにラインナップされる「酒肴揃え」(写真上)は、7~8品で構成される見た目にも楽しい一品。お客が3人で来店した際は、3人それぞれに器も盛り付けも変えて供すこともあるそうで、「器で遊ぶことが大好き」と笑顔をこぼす浅田さん。
そもそも、器そのものが大好きで、有田焼、九谷焼、京焼など各地の窯に出向いては気に入ったものを集めているほか、オリジナルを作ってもらうこともしばしばだ。
また、ライブ感を楽しんでもらうことも意識している店造りゆえ、カウンター席を選ぶとその醍醐味を堪能できる。繊細な包丁さばきに酔いしれながらいただけば、おいしさもひとしお。日本酒アンバサダー・神前覚(かんざき さとる)さんが全国の蔵から集めたレアな日本酒もそろっているので、お酒との新しい出逢いも期待できるのがうれしい。
あさだ
- 電話番号
- 03-3269-1120
- 営業時間
- 金~月12:00~14:00、木~月18:00〜22:00(L.O.21:30)
- 定休日
- 水・祝
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
手間暇かけて丁寧に作られた日本料理をいただくと、こちらの気持ちまで引き締まってくるから不思議。おいしい料理とお酒に舌鼓を打ち、店主の細やかな気配りや真摯な姿勢に感銘を受けることは、明日からの毎日を丁寧に生きることにもつながっていくはず。