カレーブームの勢いは止まらない! 注目のニューフェイス3軒
気温が高くなると、本能的に求めるのが辛いもの。2019年は空前のスパイスカレーブームだったが、2020年は南インド系カレーのブームがじわじわと広がっている模様。さらに、どの系統にも属さないオリジナルスタイルのカレー店も続々と登場していて、勢いを保ったまま変化し続けるカレー界から、ますます目が離せない状況だ。
そんな中、東京には2019年以降も多くのカレー店がオープンした。その中から、カレーマニアにも評価の高い3軒を紹介。いずれも、カレーの新しい可能性に気づかせてくれる魅力的かつ個性的な店ばかり。マニアならずとも、要チェックだ。
【1】札幌から、超ハイレベルなスパイスカレーがやってきた!『エイトカリー』(下北沢)
創業者である伊東文博さんの多彩な飲食業経験が反映された、個性豊かでハイレベルなスパイスカレーが大人気の札幌『E-itou Curry(エイトカリー)』。その2号店が、2020年1月6日、カレーの超激戦区・下北沢にオープンした。
一番人気は、具の鶏肉とルーが完全に一体化した「パキスタン無水カレー」(写真上)。
使用するのは、岩手県の銘柄鶏「あべどり」の骨付き肉。身がフレーク状になるまで煮込まれているため、まるで飲み物のようにスルスルと軽く喉を通っていく。だが鶏肉のうまみ、トマトの爽やかな酸味、タマネギの甘みは、舌の上でしっかり感じられる。
コラーゲンたっぷりで濃厚なコクのある「札幌スパイスカレー」(写真上)も、しっかりと主張するスパイスの中にフルーティな甘みもあって、親しみやすい味わい。さきほどの「パキスタン無水カレー」とは全く異なる味わいで、それぞれが個別に専門店を開けそうなほどにハイレベル。
豊富なトッピングも同店の魅力。中でもイチ押しはハンバーグ。“肉汁の泉”と呼びたくなるほどにジューシーで、驚かされること間違いなしだ。食材はすべて新鮮なオリーブ油で調理しているので、ガッツリ食べても胃もたれしづらいのもありがたい。
エイトカリー
- 電話番号
- 03-6265-5888
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:00~19:00(テイクアウト実施中。最新情報はお店のSNSをご確認ください)
- 定休日
- 水曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【2】お惣菜とスパイスを見事に融合させた「スパイス惣菜」が話題!『テイクカリー』(恵比寿)
全国に57店舗のお惣菜デリを展開している『株式会社まつおか』が、惣菜の新たな可能性を探るべく、「東京スパイス番長」として有名なシャンカール・ノグチさんとコラボ。2019年12月、インド料理と日本のお惣菜をかけあわせた「スパイス惣菜」が楽しめる『take CURRY(テイクカリー)』を恵比寿にオープンした。
注目は、食べ慣れた和食惣菜とパンチの利いたスパイスが見事に融合した「スパイス惣菜」(写真上)の数々。
「切干大根の山椒クミン煮」「ひじきの山椒クミン煮」「さばスパイス焼き」など、和惣菜とスパイスが生み出す新たな味わいは、惣菜の可能性ばかりでなく、スパイスの楽しみ方も広げてくれる。インド料理が苦手、という人こそぜひ味わってほしい。
もうひとつのオススメは、「ママだるまのアイスモナコ」(写真上)。北陸地方だけで作られる特別なもち米を使用した最中を使ったスイーツだ。アイスクリームの上には、さまざまな種類の“甘い香り”の特製ミックススパイスがたっぷり。“スパイスと甘味の融合”という、新たな美味の世界の扉が開く。
take CURRY(テイクカリー)恵比寿本店
- 電話番号
- 03-6277-2370
- 営業時間
- 11:30-15:00(L.O. 14:30)、18:00-22:00(L.O. 21:00)(※2020年5月時点で臨時休業中。最新情報はお店のSNSをご確認ください)
- 定休日
- 日曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【3】大阪スパイスカレーの名店が、東京に完全移転!『ゼロワンカレーA.o.D』(三田)
大阪で人気を集めていた『ゼロワンカレー』が、東京に電撃移転。2019年9月27日、三田に『ゼロワンカレーA.o.D』がオープンした。
同店のカレーは、カレーとライスに多種類の副菜がついていて、すべてを少しずつ混ぜながら味わう南インドのミールス(定食)スタイル。すべてのカレーに9種類の副菜がつき、ライスと2種類の汁物「ラッサム」「サンバル」、豆のカレー「ダール」はおかわり自由。
ココナッツオイル特有の濃厚なコクがあるカレー「チキンマサラA.O.D」(写真上)は、インド料理が苦手な人にも好評。小麦粉を一切使用していないため、さらりと食べられるのも特徴だ。
マイルドな味わいとともに驚かされるのが、鶏のやわらかさ。聞けば、築地の鶏の名店『鳥藤』の特選鶏もも肉を60℃の低温で数時間煮込み、一晩マリネし、注文後にさっと炙ってからカレーソースで軽く煮込んでいるそう。本場の南インドでも、こんな手の込んだやり方をしている店はないだろう。もはや、南インドのカレーを超えた唯一無二のカレーといえる。
隠れた人気メニューは、オーナーシェフの立田侑志さんの奥様である桃子さんが作るスイーツ。元パティシエが作るスイーツはどれも逸品なので、カレーとともにぜひ味わってみてほしい。
ゼロワンカレーA.o.D(ZERO ONE CURRY A.o.D)
- 電話番号
- 03-6722-6380
- 営業時間
- ランチ11:30〜14:30、カフェ14:00〜16:30、ディナー17:30〜20:00(テイクアウト実施中。最新情報はお店のSNSをご確認ください)
- 定休日
- 水曜・木曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
今回紹介した3軒は、いずれも期間限定でテイクアウトを実施中(2020年6月現在)。少人数での店内利用はもちろん、家でゆっくり食べたい人はお持ち帰りで楽しむのもよいだろう。
家庭で食べ慣れているカレーだからこそ、飲食店で未知の味に出逢えた時のワクワク感は大きい。気分が落ち込みがちな今こそ、新スタイルのカレーで気分を上げていきたいものだ。
執筆協力:桑原恵美子