神楽坂『波濤(はとう)』は予約殺到の予感しかない!名日本料理店『石かわ』の技を駆使した鮨割烹が感動的

『ミシュランガイド東京』で星に輝いた日本料理店『石かわ』などで修業した超実力派の職人がおもてなしするす『波濤(はとう)』をご紹介。鮨(寿司)と日本料理、その両方を学んだ店主が仕切る『波濤』は、和食店や割烹などが軒を連ねる神楽坂に店を構えます。“鮨割烹”というコンセプト通り、握りのみならず、日本料理らしいだし使いも存分に味わえます。ぜひ神楽坂を新たに波立たせる『波濤』の鮨と料理を味わってみて。

2020年09月07日
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神楽坂『波濤(はとう)』は予約殺到の予感しかない!名日本料理店『石かわ』の技を駆使した鮨割烹が感動的
Summary
1.つまみも鮨もどちらも主役! 今こそ新しい「鮨割烹」というジャンルを。『波濤(はとう)』【神楽坂】
2.店主は『ミシュランガイド東京』で星に輝いたいくつもの名店で修業した超・実力派!
3.まるで“静かな波打ち際”のように落ち着きのある店内は寛ぎに満ちた雰囲気

鮨と日本料理、そのふたつをつなぐもの

オープン前から業界内がざわめくような、最初から話題となる要素を存分に秘めた店というものがある。それは立地だったり、海外有名店だったり、はたまた店主の経歴がサラブレッド級だったり――。

そんな新たなざわめきを与える鮨店が2020年2月、神楽坂にオープンした。それがこちらの『波濤(はとう)』だ。

店主はまだ29歳と年若く、フレッシュな雰囲気あふれる熊切大地さん(写真上)。

実は、熊切さん、先入観を与えたくないので過度な紹介は避けるが、修業してきた店は『石かわ』『虎白』『蓮』『天本』。『ミシュランガイド 東京』でも星常連の、きらめくような超人気店の出身だ。

そんな熊切さんがなぜ鮨の道に入ったのか? その理由をうかがうと、「当時『蓮』のカウンターを担当することになり、カウンターの所作を学ぼうと鮨店巡りをしていて、そこで鮨の素晴らしさに惹かれました。料理の技術からホスピタリティ、日本料理と共通している点もありながら大きく違う部分もある鮨の道。もっと鮨のことを学びたい! と思ったからです」と答えてくれる。

鮨と日本料理、その両方を学んだ熊切さんが仕切る『波濤』というお店はどのようなものなのだろうか? まずは店内の雰囲気から紹介しよう。

落ち着きと個性あるインテリアで彩られた店内

まず、入店して目に入るのがツケ台。素材は「落ち着きと優しさを感じる」という杉。

このツケ台を主役に、灯りや食器、椅子などにも木材を使い、ナチュラルでホッとできる雰囲気に仕上げている。

そしてもうひとつ目を引くのが、カウンター後ろにあるソファセット。

実はこちらはウェイティングも兼ねているスペース。この「いかにも鮨店」という仕上げじゃない配置が熊切さんのプロフィールやさまざまな文化を持つ神楽坂の雰囲気と重なる。

しかし、主役はツケ台の背後にあった。後ろの壁の絵、こちらは店名と同じ「波濤図」という絵柄のもので、波が漂うさまが描かれている。

「心にそっと波が広がるようなお店できたらなぁと思い、この名前を頂きました」と熊切さん。

さて、そんな『波濤』の料理はどのような波を見せてくれるのか? おまかせコースの一部を紹介しよう。

今回は特別に! 仕入れたネタを披露

今回は取材ということで特別に、仕込みをする前の食材を見せてもらった。

「修業時代から絶対取引きしたいと思っていた」という豊洲市場にある仲卸の『株式会社亀本商店』で仕入れたというピカピカの魚介類! 千葉県勝浦産の金目鯛、鳥取産の松葉蟹、山口県萩産の甘鯛、佐賀県唐津産の黒鮑がズラリと並び、その様子は圧巻のひと言だ。

「まずは扱う食材そのものを大切にしたい」と熊切さんが語るように、その質や鮮度の良さがうかがえる。

サイズも味もバランスが良い、シャリと一体感のある小肌

握りは江戸前寿司の古典的ネタである「小肌」(写真上)を。本日は佐賀県産のものを使用。締め方は魚の身の脂の具合など、個体差によって変えているそうだが、キツすぎないちょうどいい塩梅の締め加減。縦に3本、大胆に包丁目が入り、さらにシャリを包み込むような握りで、一体感もよく、シャリのサイズもいいバランス感で食べやすい。

「あまり手を加えすぎると鮨がボケてしまうので、やりすぎずシンプルに、旬の素材をおいしく頂けるように心掛けています」という言葉が理解できる素直な味わい。

ちなみにシャリは固く炊きあがる「硬質米」と柔らかめに炊きあがる「軟質米」を使い、合わせ酢は赤酢と米酢を魚によってブレンドしているそう。

合間に挟むのはなんと「木の芽」の握り!

こちらはコースの後半に供される「木の芽の握り」(写真下)。

あまりに意外なネタに驚くが、なんとこれが口直し代わりだそう。

「日本料理の持つ清涼感をシャリにのせたいな、と思いお出ししています。定番になる予定です」というこちら。シャリに負けないスッとした木の芽の味わいがよく、確かに握りでありながらまるで日本料理の一品を味わったような印象。とびきり贅沢な口直しだ。

締めのお椀の代わりに出すのは「鍋」!

一般的に鮨の締めに出される汁物はあら汁や貝のお椀などが多い。しかしこちら『波濤』で供されるのはなんと鍋!

「今は自分の名前を覚えてもらいたいなぁという気持ちと、熊肉がおいしい時期ということで、“熊鍋”をお出ししています」とのことだが、意外な展開に驚く。使っているのは秋田県産のツキノワグマの肉と芹。鰹と昆布でとっただしに鍋からあふれそうなほどの芹を入れ、美しい紅色の肉を加えて煮込む。

赤身のうまさと後味のいい脂を感じる熊肉とすっきりした芹の組み合わせが素晴らしく、コースの最後に満足感を与えてくれる。しかも、希望された方にはにゅう麵仕立てにしたおかわりも出してくれるそうだ。

「『波濤』のベースは江戸前寿司ですが、料理には必ず今まで学んだ技を入れ込み、だしを使っています。奇をてらわず、学びは生かす。『波濤』ではそんな料理を目指したいですね」と熊切さんは笑顔で語ってくれた。

非公開の予約電話番号を特別に読者だけに公開!

そんな魅力に溢れる『波濤』だが、お客さまにゆったりと鮨と空間を味わってもらうため、一部の席をネット上で開放しているが基本的にクローズ営業となっている。

しかし、今回は熊切さんのご厚意で、同記事をご覧いただいた読者のためだけに特別に非公開の予約電話番号を教えていただいた。

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