【神楽坂】西洋料理『夏目亭』はお得な値段でハイクオリティな隠れ家ビストロだった!

グルメの町・神楽坂で、50年の歴史を持つ西洋料理・ビストロの『夏目亭』をご紹介。料理は、「オニオングラタンスープ」や「ビーフカツレツ」など1970年開店当時の面影を宿した定番メニューのほか、旬の素材を使ったその日のおすすめ料理をラインナップ。予算に合わせてコースにも対応するが、基本はアラカルト。ひとりでの利用や家族での利用など多様なシーンに合わせて楽しめる一軒だ。

2020年10月12日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • 神楽坂・飯田橋
  • フレンチ
  • ビストロ
  • ワイン
  • 隠れ家
  • 東京
【神楽坂】西洋料理『夏目亭』はお得な値段でハイクオリティな隠れ家ビストロだった!
Summary
1.50年の歴史を持つ西洋料理・ビストロの『夏目亭』(神楽坂)
2.「3種のやさいのオムレツ」をはじめ長年受け継がれてきたメニューが楽しめる
3.低温燻製のサーモンや牛すね肉の煮込みなど、ワインと合わせたいアラカルトメニューも豊富

1970年開店の老舗西洋料理屋『夏目亭』

1970年、麹町三番町で誕生した西洋料理屋『夏目亭』の歴史は2020年で創業50年を迎えた。

開店からしばらくして麹町の地を離れてからは、瀬田や広尾、青山を経て、2011年からは神楽坂の地で営業。青山時代には、同店を育ててきた夏目安彦さんは、かの藤村俊二氏がオーナーを務めるワインバー『オヒョイズバー』の料理長も務めていた。

現在、『夏目亭』を切り盛りしているのは、『オヒョイズバー』時代からソムリエとして活躍してきた荒川裕さん。料理担当は、瀬田時代にシェフを務めていた篠田義信さん(写真上)だ。

藤村俊二氏がオーナーを務めた『オヒョイズバー』時代の愛用品も展示

エバーブルーの壁紙に彩られた店内は、太陽光がたっぷり入って明るい雰囲気。

壁には、藤村氏からの借り物であるアート作品が並び、大正期から活躍した木工家・林二郎氏が手掛けたレトロなペザントチェアが並ぶカウンター上は、『オヒョイズバー』時代に使われていたコーヒーミルで彩られている。

料理も、開店当時の面影を宿したものが大半。定番メニューは約30品用意されているほか、旬の素材を使ったその日のおすすめ約10品が黒板にしたためられている。予算に合わせてコースにも対応するが、基本はアラカルト。ひとりで訪れて好きなものを2品以上楽しむ人も多いというが、「オニオングラタンスープ」や「ビーフカツレツ」といった昔ながらの西洋料理を前に、かつてを懐かしむお客さまも多いのかもしれない。

こちらのお店の歴史を知るファンをはじめ、今でも食道楽の人はよく来店するそうで、ひとりでの利用や家族での利用など、めいめいがシーンに合わせて楽しんでいるようだ。

うっとりするほどふわふわの卵料理は見た目の美しさも圧巻

長年愛されているメニューのひとつが、「3種のやさいのオムレツ」(写真上)。細かく刻んだ野菜を卵と生クリームとともにかき混ぜた後、舟形に流し入れて固めるという工程を3度繰り返すことによって、美しい3層の卵料理に仕上がっている。

野菜は頻繁に変えているが、写真は外側から順番に、金時人参、グリーンピース、トランペット茸。取材日はラタトゥイユが添えられて登場したが、付け合わせもその時々で変えるという。

オムレツは、口に入れるとふわっふわの食感。野菜の甘みと相まったやさしい味が、口いっぱいに幸せを広げてくれる一品だ。

食器は「大蔵陶園」のもので、デザインしたのは夏目安彦さん。洗練された八角形の器ゆえ、オムレツはより美しく見えるし、テーブルに登場した瞬間から気分が上がっていく。

ねっとりした口当たりのサーモンは白ワインとともに楽しみたい

こちら「自家製スモークサーモン」(写真上)は年間を通しての人気メニュー。30~40℃の低温で5時間かけて火入れしたサーモンは、ねっとりとした食感が心地よい。魚のうまみがぎゅっと凝縮されているので、ミネラル感を楽しめる白ワインなどがほしくなること必至だ。

サーモンの手前に添えられているのは15年熟成のバルサミコ、奥の野菜は自家製ピクルス。濃厚なサーモンに酸味を掛け合わせることで、絶妙なマリアージュを楽しむことができる。

ワインは、フランスものを中心に約100種類常備。グラスは、シャンパンを含めると10種類程度用意があるので、荒川さんにおすすめを尋ねるのもいいだろう。

骨髄まで堪能したい「牛すね肉の煮込み」

メインからは「仔牛すね肉の煮込み ニース風」(写真上)をご紹介。

2.5cm程度に輪切りしたすね肉に塩コショウして小麦粉を軽くふった後、オリーブオイルで焼いたら鍋に投入。白ワインとトマトフォンデュ、タマネギやセロリなどをペースト状にしたデュクセルとともに1時間~1時間半ほど煮込んだ後、仕上げに、グリーンオリーブとレモンの皮、レモンの汁を加えたら完成だ。

口の中でホロホロと崩れるほどやわらかく煮込まれたすね肉は、野菜のうまみもたっぷりと吸収した豊潤な味わい。骨の中にある骨髄もうまみの塊なので、ぜひともスプーンですくって堪能してほしい。コラーゲン豊富で、美容に気遣う女性にうってつけだ。

おいしい料理とワインをひとりでゆっくり堪能したい夜にもぴったり

『夏目亭』は基本アラカルトのため、ワイン片手に小腹を満たしたいときにも気軽に立ち寄れるのがうれしいが、聞けば、一時代前にはほとんどのお客さまが「前菜+メイン」をひとりで平らげていたのだとか。

「今の人はシェアが当たり前だけど、昔はみんなよく食べていましたよ。そのころからのお客さまは、今でもおひとりで前菜とメインを召し上がりますね」。そう教えてくれた荒川さんから、当時の話を聴けるのもこちらの店の醍醐味。

カウンターでゆっくりと一人の時間を楽しみたい日にもぴったりなので、気分転換を図りたい夜などにもぜひ訪れてみてほしい。

【メニュー】
・3種のやさいのオムレツ 2,050円
・自家製スモークサーモン 2,450円
・仔牛すね肉の煮込みニース風 4,300円
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です

撮影:佐々木雅久

夏目亭

住所
東京都新宿区神楽坂3-2 林ビル2F
電話番号
050-5488-1462
営業時間
ランチ 12:00~15:00
(L.O.14:00)
ディナー 18:00~22:00
(L.O.21:00)
20時までのご入店をお願い致します。
定休日
水曜日
第1火曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/b92e9e780000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。