小さい子どもも喜ぶおいしい羊肉店『赤丸ヂンギス』(荒木町)
羊肉といえば、食わず嫌いの人も少なくない食材のひとつかもしれない。だからこそ、“羊肉未体験”の相手を誘うなら、目を瞠(みは)るほどウマい店をチョイスしたいところ。
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おすすめは、何といっても四谷三丁目にある『赤丸ヂンギス』。店を切り盛りする渡辺宏美さんが肉にもタレにもこだわり、週末になると家族連れで賑わうというのだから、子どもも喜ぶほど食べやすいこともおわかりいただけるだろう。
潜水艦を模した店内は“大人の隠れ家”のよう
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潜水艦をイメージした店内の真ん中には、七輪の炭をおこすための薪窯を完備。『赤丸』の屋号にちなんで、実際に船でも使われている丸窓を採用しているところもユニークだ。
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照明は絞り気味で、まるで本当に海の中にいるかのような隠れ家感たっぷりだが、席間は広々としているので、家族利用だけでなく、デートや接待に使われることも多いのだとか。
前菜からお酒が進む、たたきと燻製の羊肉は口福の一品!
料理は、前菜からメインまで羊肉メニューが豊富にラインナップ。まずはお酒とともに前菜や網焼き羊肉をひとしきり楽しみ、〆にジンギスカンを注文するというお客がほとんどで、皆でわいわい楽しみながら羊肉が味わえるのが魅力のひとつだ。
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そんな同店の羊肉、一品目にオーダーするなら、「前菜の盛り合わせ 仔羊のたたき&スモークラム」(写真上)はいかが?
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桜チップで燻した「スモークラム」はそのまま、「仔羊のたたき」は柚子胡椒またはポン酢でいただくと美味。
「質のいいグラスフェッドで育った羊は臭みゼロ」と渡辺さんが話す通り、生でもクセはまったく感じられず、口いっぱいにうまみが広がっていく。
たたき、スモークラムともに下に敷いた葉物野菜と一緒に食べてもおいしく、スタートからお酒がぐんぐん進みそうだ。
前菜の後は、焼きたてアツアツの網焼きメニューを堪能しよう!
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前菜のあとは、ぜひ焼肉スタイルでアツアツの羊肉を堪能しよう。まずは「生ラムのねぎ塩焼き」(写真上)を! こちらのロイン芯(ロース芯)のスライスにトッピングされているのは、ごま油と塩で味付けしたねぎ。
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半分に折ってねぎを挟み、卓上に用意された七輪でさっと焼いていただく一皿だ。焼き加減はお好みで。生でも食べられる羊肉なのでレアめでもおいしいが、焼き色が付くくらいしっかりと焼くと、ジューシーなねぎとの食感の対比が楽しい。
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続いて「プレミアム肩ロース芯」(写真上)。
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特選ラムの肩ロース芯は、塩コショウをさっと振るだけのシンプルな味付けだからこそ、肉そのもののうまみが存分に感じられる。もちろん臭みは皆無。噛みしめるほどに口の中いっぱいにうまみが広がっていくので、おかわししたくなること必至である。
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網焼きメニューはこのほか、全国各地から届いた旬の野菜も用意。春なら掘り立てのタケノコ、夏なら北海道直送のホワイトアスパラなど、新鮮な味わいを楽しめる。
「焼くのも楽しいので、ぜひみなさんでお好みの焼き加減に仕上げてほしいです」と声を弾ませる渡辺さんに、そのときどきのおすすめの野菜を教えてもらうのもよさそうだ。
りんごたっぷりの自家製のタレをまとわせた生ラム肩ロースは絶品!
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お待ちかねのジンギスカンは、野菜がたっぷり盛りつけられた「生ラム肩ロースのジンギスカンセット」(写真上)が基本のセット。
「生ラム肩ロース」「野菜三種盛(もやし、玉ねぎ、パプリカ)」「自家製りんごだれ」がセットになっているので、まずはこちらを注文して、食べたりない場合はそれぞれ追加で注文しよう。
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ジンギスカンは、網焼きと同じく七輪で楽しむ。ジンギスカン鍋は脂が七輪の中に落ちる穴空き仕様なので、羊肉のうまみだけが残る絶妙な焼き上がりもうれしい。
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まずはすべての野菜を鍋の上で炒めて、しっかりと火が通ったら鍋の縁に移動させ、真ん中の空きスペースでラムをじゅうじゅうと焼いていく。その間、玉ねぎやもやしをつまみながらお酒を飲み進めてもいいが、全部焼き上がってから一気に掻っ込むのも爽快だ。
手作りのりんごだれは果肉たっぷりのまろやかな味。羊肉のうまみを最大限引き出してくれるこのたれがうますぎて、何度も肉をヒタヒタしてしまうので、まずはたれからおかわりするという人も多いのはないだろうか。
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ドリンクは、羊肉に合うワインや焼酎も幅広くラインナップされているが、一番人気はハイボール。写真上の「ラフロイグ10年」で作ったもののほか、ご主人で店主の恒夫さんがシングルモルトをオリジナル割合で配合した「赤丸ブレンド」も好評だ。
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子どものころ、父親が作っていてくれたタレを再現
さて、オーナーの渡辺さん、子どものときから日常的に羊肉を食べていたという。
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東京生まれ東京育ちだが、出張が多くおいしいもの好きの父親が、北海道で出逢ったジンギスカンのおいしさに惚れ込み、自宅でも作るようになったためだ。
羊肉の仕入れ先は近所のスーパーだが、味の決め手は手づくりのタレ。ジンギスカン作りのために購入した南部鉄器の鍋に付属していたレシピをベースに、父親が作ったタレは絶品だった。
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そして2004年頃に第2次ジンギスカンブームが訪れると、渡辺さんはさまざまな店を食べ歩いたが、父親の味に勝る店には出逢えなかった。ならばと店を開くことを決め、牧草作りからこだわっているオーストラリア産のグラスフェッド肉を仕入れ、さまざまな羊肉料理を開発していったのだという。
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前菜、網焼きととことん楽しんだ後の〆としてのジンギスカン。満腹感はかなりのものだが、「まだまだ食べたい」と後を引いてしまうほど。「少しだけ」とおかわしりしてしまうこともありそうだが、羊肉には、体脂肪を燃焼させる効果が期待できるカルチニンが豊富に含まれているので、たくさん食べても翌日は胃もたれなし。
さらに、ビタミンA、B群や亜鉛、鉄分など、身体にいい成分も豊富。食べてキレイを目指せる食材なので、週一でリピートするのもおすすめ。家族や友だちとの楽しい時間を、おいしい羊肉でさらに楽しく彩って。
【メニュー】
・前菜の盛り合わせ 仔羊のたたき&スモークラム 1,920円
・生ラムのねぎ塩焼き 1,310円
・プレミアム肩ロース芯 1,330円
・生ラム肩ロースのジンギスカンセット 1人前1,420円
・ラフロイグ10年 シングル:880円、ハイボール:940円
・赤丸ブレンド シングル:850円、ハイボール:910円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。
撮影:佐々木雅久
赤丸ヂンギス
- 電話番号
- 050-5485-3809
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- 営業時間
- 水~土
18:00~23:00
(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:00)
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年末年始(2018年12月30日~2019年1月4日)
都合により暫くの間火曜日も休業します。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。