フレンチとイタリアンの魅力をいちどきに楽しめる「ビステリア」
フランス語の「ビストロ」とイタリア語の「オステリア」。ともに「気軽に利用できる大衆食堂」を意味するふたつの言葉を掛け合わせた造語を店名に取り入れた、自由が丘『ビステリア サトッロ（Bisteria Satollo）』。
料理のベースはフレンチだが、コースにはパスタを取り入れるなど、名前の通り、フレンチとイタリアン両方の要素が詰まった楽しいレストランだ。
店名の「サトッロ」とはイタリア語で「お腹いっぱい」を意味する言葉だが、オーナーシェフが佐藤猛（さとう たけし）さんであることを考えると、佐藤由来のニックネームのようでなんだかかわいい。
なんてしょっぱなから“かわいい扱い”してしまったが、実はかなり華々しい経歴の持ち主。故郷である京都のイタリア料理店で7年間修業した後、京都・伏見の熟成肉専門店『中勢以（なかせい）』（現在は『京中』）で肉の取扱いを学び、その後、世田谷のフレンチ『La Butte Boisse（ラ・ビュット・ボワゼ）』（現在は閉店）を経て渡仏。フランスの三つ星レストラン『Flocons de Sel（フロコン ド セル）』で研鑽を積み、帰国後は茗荷谷『中勢以 内店』でシェフとして『ミシュランガイド東京』一つ星を獲得。2018年、『ビステリア サトッロ』を開くこととなった。
5品5,000円の“満足コース”はその名のとおり満足度大！
念願だった自身の城は、レトロとポップがいい塩梅に融合した愛らしい内装。ススキフクロウ作家、植木学さんお手製のフクロウがそこかしこで羽を休めているし（中には今にも飛び立たんとしている子も！）、黒板には旬の食材などを伝えるための手書き文字が並び、アットホームな雰囲気いっぱいだ。
テーブル席のほか、壁に面した広めのカウンター席もあるので、のんびり食事したい一人客もふらりと訪れるという。
料理は、コースもアラカルトもあるため、一人客は主にアラカルトをオーダーするのかと思いきや、「コースご注文のお客さまがほかにいらっしゃるときは、『コースだと一緒に作るからテンポよくお出しできますよ』とおすすめすると『ではそれで』という方も多いです」と佐藤さん。
まるで友だちの家に遊びにきたかのようにくつろいで過ごせる店なので、ひとりでもゆっくりと食事しながら長居したくなるのだろう。
コースは、全5品5,000円の「Satollo（満足）コース」が一番人気。ワインは、50ml×6杯で3,000円のペアリングを利用する人が多いが、いろんな種類を少しずつ飲んでみたいなら、50ml弱×9杯で4,000円のペアリングもおすすめだ。
手の込んだ前菜盛り合わせは見た目の美しさも圧巻
「Satolloコース」一品目に登場する「前菜の盛り合わせ」（写真上）は、彩り豊かで滋味豊富。食感の異なるさまざまな野菜を豚と牛のコンソメでゼリー寄せにした「野菜のテリーヌ」の横には、ビーツとセロリの鮮やかなピューレ。「鳴門産イワシのコンフィ」の下には、千葉県『眞嶋農園』のパパイヤのピクルスをはじめとするとりどりの野菜が敷かれ、栄養バランスも満点だ。
さらに、岩手のブランド豚「岩中豚」、宮崎県黒毛和牛、鶏レバーを練り合わせて焼き上げた「パテ」、宮崎県産黒毛和牛のレバーペースト、フォアグラのテリーヌが同量ずつ。その横には、イタリアの郷土料理「スフォルマート」がこんもりと盛られている。カボチャ、ゴルゴンゾーラチーズ、卵、牛乳、生クリームで作られたスフォルマートはもったりした濃厚な口当たりだ。
ちなみに、5,000円コースは一品目が前菜だが、7,000円コースの場合はその前にほっとする味わいの「スープ」（写真上）が供される。こちらの白いスープの正体はピュアホワイト。真ん中にトッピングされているのはスッキリとした味わいのガスパチョだ。
肉のうまみ、野菜のあまみがぎゅっと詰まったパスタも本格派！
こちらは、鹿肉と岩中豚で作ったラグーとショートパスタ・フジッリで作った「パスタ」（写真上）。
鹿肉は、北海道の熟成エゾシカ肉専門店『poro wacca（ポロワッカ）』から仕入れたもの。同店では、骨付モモ肉をまるごと入荷して肉料理用に必要な分をカットした後、細切れになる屑（くず）肉をラグーなどに活用しているという。もちろん、肉質は上質そのものだからソースが美味であることは言うまでもなし。
全体に回しかけられているソースは、『眞嶋農園』育ちのジャンボピーマン「デカチャンプ」の種とタマネギで作ったもの。タマネギともどもじっくり火を通したピューレは、ほんのりと甘くなめらかな舌触り。パスタといえばイタリアンの定番メニューだが、時間をかけて作られたピューレなどにはしっかりとフレンチの技法が活用されており、パスタ全体に豊かなコクを与えてくれる。
鳴門産の「金目鯛」が上品な一皿に昇華！
続いては、鳴門から届いた「金目鯛のポアレ」（写真上）。下に敷いているのは焼きリゾットとラタトゥイユ。
ソースは、パプリカを直火で炙って作ったペペロナータを使ったクリームベースのものだ。隣に添えられている紫色のピューレの原料は、茄子の皮とズッキーニの種。茄子の色が褪せていないのは、ビネガーを入れているから。
焼きリゾットの味のベースは、クミンの香りをまとったヒュメ・ド・ポアソンベース。フレンチとイタリアンが見事に融合した一皿だ。魚のうまみ、ピューレの酸味、ソースのまろやかさの三位一体。ぜひともおいしいワインとともに楽しんでほしい。
シンプルに焼いた2種の肉料理はたっぷりの野菜とともに満喫しよう！
こちらは味もボリュームも見事な肉料理。「蝦夷鹿のシンシン フランボワーズビネガーソース」と「佐賀牛ヒウチのロースト ハチミツ入りバルサミコソース」の2種盛り（写真上）だ。
蝦夷鹿は、パスタに使われているものと同じ『poro wacca』のもの。むっちりとした鹿肉、繊細な味わいの佐賀牛との対比はすばらしく、こちらの一皿でワイン2杯は飲み干してしまいそう。ペアリングワインを利用した場合、前述の通り、5皿に対して6杯が用意されるが、肉が2種盛りの場合はこのプレートに2杯がついてくるので飲み比べも楽しい。
添えられているマッシュポテトには“インカのめざめ”を使用してスモークをかけているため、コク深い赤ワインとも好相性。肉の下に敷かれているレンズ豆と栗豆は北海道『村上農場』のもの。ネギを焦がして仕立てたピューレは香ばしく、一皿を通して五感がいっぱいに震わされる。
ちなみに、厳選した肉のおいしさはランチでも楽しめる。写真上は、プリフィックスの「選べるメインランチ」などで楽しめる「山形豚ロースのロースト ラタトゥイユ添え」。メインは肉料理または魚料理から選べることができるうえ、前菜盛り合わせ、デザート、食後の飲み物までついたお得な内容だ。
ふわっとやさしい食感のシフォンケーキとクリーミーなアイスは一緒に食べてもおいしい
デザートからは、シフォンケーキとアイスクリームのコンビネーションプレート（写真上）をご紹介。ココアパウダーとシナモンを練り込んだケーキは、甘さ控えめでふんわりした食感。バナナ風味のアイスには、砂糖でマリネしてピューレされた柿がとろりとかけられている。アイスの下に潜んでいるのは、赤ワインでコンポートしたやわらかなりんご。果実味やクリーミーさ、シナモンの苦みなどさまざまな味わいに満ちた一皿は、エスプレッソと相性抜群だ。
エスプレッソのカップは『NARUMI』のもの。紅茶の場合は『リチャードジノリ』に注いでくれるが、いずれもさまざまなデザインのものがそろっているので、通うたびに写真に収めても楽しいだろう。
気に入ったワインがあれば、テイクアウトのボトルも用意してもらえる
ペアリングを利用した場合、デザートの後には、その日チョイスしたすべてのボトルをテーブルに並べて目でも楽しませてくれるのもうれしいサービス。気に入ったものがあればテイクアウトすることもできるし、その日に在庫がない場合は入荷後に連絡をもらうこともできる。
お気に入りと出逢えたらおうちごはんでの楽しみも増えるし、「届いたら連絡します」の場合、次また来る楽しみができるのもステキ。通うたび、大好きな料理とワインが増えていくこと間違いなしだ。
【メニュー】
・Satollo（満足）コース 5,000円
・ワインペアリング 3,000円（50ml×6杯）／4,000円（50ml弱×9杯）
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税別です
撮影：佐々木雅久
Bisteria Satollo （ビステリア サトッロ）
- 電話番号
- 050-5487-4723
（お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。）
- 営業時間
- ディナー 18:00～22:00
（L.O.21:00）
予約状況により閉店時間を早める場合がございます。
☆ホームページからのご予約が最もお得です♪https://bisteriasatollo.com/
ランチ 12:00～15:00
（L.O.14:00）
大切なお客様へ
ただいま私、佐藤のワンオペ営業をしております。コースご提供の際、ランチ・ディナーともに予約状況によっては2～3時間お時間を頂戴する場合もございますので、お時間に余裕をもってご予約いただけますと幸いです。また、営業時間中電話対応が満足にできない事、多々あります。後日の予約の問い合わせは営業時間外にあたる15時～18時、にお電話頂けると助かります。
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祝日の場合は営業致します☆定休日でも貸切の対応致しますので、お電話でお問合せ下さい。
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