都立大学駅から徒歩1分。地元民から愛される隠れ家イタリアン
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東急東横線「都立大学」駅から徒歩1分の場所にあるイタリアン『D’ORO(ドーロ)都立大学』。九段下の『トルッキオ』など、有名店で腕を磨いたエグゼクティブシェフ最上翔さんが2012年にオープンしたお店だ。
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オーソドックスなメニューを揃えたカジュアルなイタリアンで、幅広い年齢層から親しまれているのが特徴。70~80代の常連客もいて、その居心地の良さが伺える。
なお、初台にある『D’ORO初台』は2店舗目。こちらは接待や記念日におすすめのお店なので用途によって使い分けたい。
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『D’ORO 都立大学』の店内はシックなつくり。重厚感あるメタルのカーテンがひときわ目を引き、かっこいい。建築家によるデザインで、イタリア・ローマの世界遺産「コロッセオ」をイメージしているのだとか。
子どもの頃の夢を思い出し、料理人に
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『D’ORO都立大学』のすべての料理を担当しているのが、シェフの渡邉陽輔さん(写真上)。
学生時代、進路に悩んでいた時に、昔のアルバムに「料理人になるのが夢」と書いてあったのを発見し、料理の道を志す。東新宿、青山、蒲田、イタリアなどで腕を磨き、2016年から『D’ORO都立大学』の料理長に就任。
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「1号店であるこちらは、“週に一度来てもらいたいお店”をコンセプトにしています。地元密着であることを大切に、しっかり食事したい人、ワイン中心でアラカルトを楽しみたい人など、それぞれのニーズに合わせた使い勝手の良いお店を目指しています」(渡邉さん)
ランチコースは1,100円~、ディナーコースは5,500円~。アラカルトも豊富に揃う『D’ORO都立大学』の料理を、さっそく紹介していこう。
とろける食感! なめらかプリンのような冷製茶碗蒸し
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まずは前菜「オマール海老のアメリケーヌの冷製chawan蒸し」から(写真上)。
見た目にも美しい冷製茶碗蒸しは、オマール海老のダシがたっぷり効いたアメリケーヌソース、コクとうまみの強いブランド卵「恵壽卵(けいじゅらん)」、生クリームなどで作られる。まるでプリンのような、なめらか食感が心地よい。
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2層構造になっており、上にかかっているとろみのある透明なソースがとてもいい風味を出していることに気づく。このクリアなソースは、天然真鯛、昆布、貝のダシをブレンドしたもので、雑味のない上品なうまみが絶品。とびっこのプチプチした食感もリズミカルな楽しい前菜だ。
刻みキュウリの小気味いい歯ごたえの秘密は、種を取ってから表面を乾燥させるひと手間をかけているから。小さな器の中に、丁寧な仕事ぶりを感じる。
思わず声をあげたくなる、スイーツのような可愛らしさ
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続いては、「フォアグラのテリーヌ ブリオッシュのハンバーガー仕立て」(写真上)。はちみつで焼いたブリオッシュでフォアグラを挟んだ、スイーツ感覚で楽しめる一品だ。
フォアグラのテリーヌは濃厚でまったりとした味わい。舌の温度でゆっくりと溶けていくさまは、まるで上等なバターを口に含んでいるかのよう…。しばし余韻に浸っていたくなるおいしさだ。
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ナイフを入れると、リンゴのコンポートが挟みこまれているのがわかる。シャキッとしたリンゴの歯ごたえがアクセントになっていて、フォアグラのおいしさをより一層引き立てる。
添えられたリンゴと生姜のマルメラータ(ジャム)や、ダークチョコパウダーをつけながら食べると、味が変化してまた楽しい。
名物パスタ「ビゴリ」が作られるまでの工程をご覧あれ!
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『D‘ORO都立大学』の名物は、ずばり「ビゴリ」。「ビゴリ」とは北イタリアの郷土料理で、生地を筒状の成形機で押し出して作るロングパスタのこと。非常に手間がかかるので、都内でも食べられる店はあまりないという。
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「これが『ビゴリ』の元となる生地なんですよ」と、渡邉シェフ。
通常、パスタ生地はこねて作るのが一般的だが、「ビゴリ」の場合はこねず、低加水で作るための「真空機」を使う。真空機を導入する以前は讃岐うどんのように足踏みして作っていたこともあったというから、それだけ固い生地なのだろう。
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真空機で固めた生地を、この「トルキオ」という成形機(写真上)に入れて、ハンドルをギュッギュッと回していくと、ニュ~~っと出てきた、出てきた! これが「ビゴリ」。とても楽しそうに見えるのだが、実はかなりの重労働。
「生地が固いので押し出すのにすごく力がいるんです。だからこの機械は椅子と一体化していて、踏ん張るように使うんです。昔からの伝統の形で、超アナログなんですけど(笑)」(渡邉さん)
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なお、この機械は真鍮(しんちゅう)製。機械自体にかかる力も大きいため、真鍮製でないと壊れてしまうそうだ。
手間もかかる上に、重労働。なぜここまでして、「押し出し成形」のパスタにこだわるのかというと…
表面のざらつきが、おいしさの秘密
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その答えは表面のざらつき。
よく見ると、麺には無数のささくれができている。この表面の傷がソースに絡んで、極上の食感を生み出すのだ。
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パスタのソースは天然真鯛のダシに、自家製のニンニクとアンチョビのペーストを加えたもの。そこにオリーブオイルを入れて乳化をさせる。
「オリーブオイルは、サルデーニャ島のエクストラバージンオリーブオイルを使っています。苦みがあるのがいいんですよ」(渡邉さん)
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麺にスープを吸わせるように絡めたら、ここで生海苔を投入! 磯の香りが立ち上り、ニンニクの香ばしさと相まって思わず食欲がそそられる。
貝のエキス、うまみがたっぷり染み込んだ麺に驚き!
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そうして仕上がったのが、「北海道産北寄貝、白貝、地ハマグリ、黒バイ貝、ムール貝、アサリ 生海苔風味ビゴリ」(写真上)。
これでもかというほどさまざまな貝が盛られた、貝好きにはたまらないビジュアル。
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2mmほどある太麺は、本当にモッチモチ。とても弾力があり、歯ごたえも抜群だ。
麺の表面のざらつき部分が魚介のうまみをしっかり吸い込んでいるので、噛みしめるとジュワ~ッと味が滲み出てくるかのよう。
それぞれの素材の味ははっきりしているが、全体としてまとまって調和している。ビゴリだからこそ味わえる生パスタのおいしさ、スープに負けない弾力、貝のうまみ、どれをとっても満足の一皿だ。
赤身のおいしさ際立つ、やまゆり牛トウガラシ肉
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メイン料理は「やまゆり牛トウガラシ肉のロースト ポルトのソース」3,300円。
「やまゆり牛」とは、黒毛和牛とホルスタインを掛け合わせたミルキーな味わいが特徴の牛肉。神奈川県藤沢市などで飼育されているが、地元で消費されることが多いため都内で扱っているのは珍しい。
ちなみに「トウガラシ肉」とは、形がトウガラシに似ているからその名がついた、牛の肩甲骨付近にある希少部位のお肉。
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「肉汁が多いお肉なので、肉汁を閉じ込めつつミディアムレアに仕上げています」と渡邉さん。味付けはシンプルに塩とオリーブオイルのみ。
赤身だがやわらかく、どこかレバーを思わせるしっかりしたお肉の味がする。適度な弾力とジューシーさがあり、噛みしめるほどにうまみが出てくるお肉だ。
ソムリエ厳選! 手頃でおいしいワインをラインナップ
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ソムリエが厳選したワインは、南アフリカ、ニュージーランド、イタリア、フランスなど、おいしくて手頃なものを揃えている。
なかでもおすすめは、イタリア・シチリア州産の「ドン・トーマシ」(写真上・右)。ベリーの香りをしっかり感じるジューシーなテイストで、黒コショウのようなニュアンスもあるので食事にもよく合う。
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高級食材を使わない代わりに、丁寧な仕事と美しい盛り付けが魅力の『D’ORO都立大学』。リーズナブルで気軽に楽しめる雰囲気はもちろん、モチモチ食感が楽しい郷土パスタ「ビゴリ」は、一度食べて見る価値ありだ。
【メニュー】
<ランチ>
・パスタランチ 1,080円
・ランチコース 1,980円〜
<ディナー>
・D’OROコース 5,500円
・スペチャーレコース 6,600円
・シェフズ スタイルコース 8,800円
その他アラカルトメニューあり
<ドリンク>
・ワイン グラス900円~/ボトル4,500円~
・スパークリングワイン 800円
その他ビール、ソフトドリンクなどあり
※コロナ対策として扉を開けて常に換気をし、店内には消毒液を設置。席の幅を広く取り、ソーシャルディスタンスに対応しています
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込、パン代(サービス料)として330円をいただきます
D’ORO(ドーロ)
- 電話番号
- 050-5486-9016
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月・火・木~土
11:30~15:00
(L.O.14:00)
月・火・木~日
17:30~22:00
(L.O.21:00)
日
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