肉を溺愛する男がもてなす焼肉店『炭火焼肉 ふちおか』
ただまっすぐに肉に向き合う男がいる。
「お客様が喜んでもらえれば」
その思いで値上げもせず、妥協もせず、ひたすら努力をして今日も肉を切り続ける。
『炭火焼肉 ふちおか』
店主、渕岡弘幸、その人である。
肉に向き合うきっかけは大学時代のアルバイト。4年間焼肉屋で働き「いつかは自分の店を持ちたい!」と思うようになったという。その後、IT系システムエンジニアとして就職しつつも焼肉屋への想いはつのる。
何軒か食べ歩くうちに出会ったのが三ノ輪にあった『七厘』というお店。
お肉の切り方、出し方、コーススタイル、コスパの良さ、そして何より後の『炭火焼肉 なかはら』を開くご主人の中原健太郎氏の情熱、それに惚れ込み門を叩く。
3年2カ月の修業の間、すぐにお客様用の素晴らしい和牛を切ることは当然できない。中原氏のカットの技術を、背中を見て学び、肉の目利きを目で、手で触って覚えた。
そしてついに2017年5月、世田谷区は経堂という小田急線の駅からほど近いところに『炭火焼肉 ふちおか』は誕生した。
こんなに安くていいのか!? 黒毛和牛のコースがなんと6,800円!
地元のお客さんに来てほしいという想いからコースは「6,800円」(税別)、これは創業以来変わってない。
正直、この値段で黒毛和牛のハイクオリティなお肉、こだわりのA5雌(メス)牛を出すのは至極困難。和牛の値段も高くなる一方であっても決してぶれない想いは「お客様ファースト」。
そんなこだわりを、志を持つ店をお客は放っておかない。しかも超人気店である『炭火焼肉 なかはら』と同じタレ、調味料、同じ仕入れ先のお肉がリーズナブルに食べられる。
経堂でオンリーワン、世田谷区を代表する焼肉の名店としてまたたく間に名店の仲間入りを果たし客席は3回転するほど順風満帆だった。
そんな折2020年、新型コロナウィルス感染症の流行に伴い飲食店は一斉に大打撃を受ける。同年4月半ばからの緊急事態宣言中は店舗営業はやめた。何よりお客様とスタッフの安全のためだった。
とはいえずっと閉めているわけにはいかない。
渕岡さんはたった一人で厨房に立ち焼肉弁当1本で営業を再開する。そして5月7日から席を間引いて最大限感染症対策をしながら店舗営業を再開。回転は2回転までとし、どんなに頑張っても売上はかつての3割減である。
でも、渕岡さんはぶれなかった。
美味しい焼肉を気軽に食べたいと思ってきてくださるお客様のため、企業努力を極限まで高め6,800円というコースの値段はそのままで今日もたくさんのお客様を笑顔にしている。
ジューシーさが半端ない、その秘密は炭火にあり!
ではそのコースの全貌をご紹介していこう。
「前菜三種盛り」と、「自家製すりおろし玉ねぎ人参ドレッシング」(写真上)があまりにうますぎてもう本当にぜひドレッシングだけでも売って欲しいと懇願したいほど美味しいサラダが登場。肉への助走としては完璧だ。
そして名刺代わりのこの一枚!
「たれサーロイン」がバーンと登場!!(写真下)
これ、実はとても大きい盤のサーロインの芯の部分だけをきれいに脂身を掃除しまくってまるで日本酒の大吟醸のように中心部分だけを提供している。
切り出す前と(写真下)
切り出したあと(写真下)。
こんなに使わない部分があるのはまさに師匠・中原健太郎氏の教えのまま。中原氏はもともと肉が好きでなく、特に脂っぽい肉が苦手でどうしたら美味しくサーロインを食べることができるかというところから行き着いた究極の“大吟醸カット”。
うまくないわけがない、そしてきれいにストンと体に入る。こんな美味しい名刺ならトランプができるほどの枚数いただきたいくらいだ。
続いては「塩だれ二種」(写真下)。
厚みのあるハラミと薄切りのマルカワ(別名シンタマカブリ、日によって他の赤身部位に変更)をさっぱりとしつつも肉の美味しさを引き出す『なかはら』譲りの絶妙の塩梅でいただく。
『ふちおか』の良さは炭火の火力にもある。とてもしっかりと強い火力になっているので厚みのあるハラミであっても一気に遠赤外線の効果で中まで火が入る。ジューシーさは半端なく、犬歯で噛み切ってこそのうまさが現れる。それがハラミの真骨頂だ。
一方、「マルカワ」(写真下)はあっさりとしていても余韻が長い。上品な赤身の味わいが楽しめる。
うまい、うますぎる、これぞ本物の「タレ焼肉」だ!
さぁ、お肉のメインイベント! ミスジ、カメノコ、ウワミスジの「たれ肉3種盛り合わせ」の登場です‼(写真下/部位は日によって変動)
まず、見た目が良い。
いい肉というのは見た目も大事。もうなんとも言えない吸引力がある。色気があるのだ。赤と白のコントラストは偉大であり、食べる前から約束されたテクスチャーを想像するだけで本能が求める。早く食べろと吠え立てる。
ではまずはウワミスジから(写真下)。
ウワミスジはその名の通り腕の一部であるミスジの上側の部位で赤身の良さをきちんと味わえる希少部位。だからこそタレとの相性は抜群であり、強火の炭火で一瞬だけ火を通せばミネラル感を感じる極上の赤身体験ができる。
続いてはカメノコ(写真下)とする。
カメノコは腿の中心に位置するシンタマの中の一部で、味わい深い赤身の部位ではあるが、カットを間違えたり焼きを強くしてしまえばかなり固くなってしまう部位だ。そこをいくとやはり渕岡さんのカットは抜かりない。
きちんと口に入れたときに噛み切れるような絶妙な薄さに仕上げる。こちらも焼きはウワミスジと同様にサッと炭火の熱を一瞬くぐらすイメージで。しっかりつけダレをつけてもしょっぱくならない、流石の一言である。
さぁさぁ、いっちゃうよ、ミスジいっちゃうよ! というわけで腕の中でも一番キレイに霜降りが入るミスジで〆る‼(写真下)
タレ焼肉の良さは赤身ももちろんだが、雌牛ならではの優しい脂を香ばしく仕上げ、また醤油のキリッとした輪郭でうまさを際立たせる効果がある。いわばこれこそがタレの魔法だ。こちらも片面だけで十分火が通る火力と薄さの相互関係、完成されたシナリオに踊らされるのも美徳の一つ。
うまい、、、うまいよ! 脳天を突き上げる喜びと感動。
これぞ焼肉だ、私が求めていた焼肉だー‼ と拳を突き上げ世界中に叫びたくなる思いを必死に堪えるのに精一杯。いけない、正気を失いそうだ。
こんな美味しい和牛の焼肉をこの値段で食べて良いのか? 許されるのか?
いやいや、これだけじゃないんですからね。すごいんですよ。
『七厘』時代からの人気メニュー「黒毛和牛のメンチカツ」(写真上)がこちらのふちおかさんでも食べられるんです! とにかくジューシーこの上ない、まさに肉汁爆弾と言っても過言ではない保水率! こんな爆弾ならいくらでも仕掛けてもらいたい!!
笑顔が見たい誰かを誘うなら『炭火焼肉 ふちおか』で決まり!
そしてコースの大トリはご飯物が飾ります。ヨネですね、待ってました! しかもただのヨネではないんです。
和牛のしぐれ煮をご飯に乗せた「だし茶漬け!」 (写真下)。
まさにスルスル、喉が喜ぶ音がする。
といった流れにさらに途中に口直しとしてナマスの和牛だしポン酢和えがついたこの「ふちおかコース」が6,800円。
単品メニューではこれまた素晴らしい牛タンもこちらの名物。追加するでしょ! しちゃうでしょ!!
友達を、家族を、恋人を。
笑顔が見たい誰かを誘って行くなら、その答えはここにある。
世田谷区経堂という住宅街でもあり学生街でもあるエリアでオンリーワン、唯一無二の輝きを放つ至高の名店『炭火焼肉 ふちおか』。
今日も渕岡さんはまっすぐに、肉に向き合い肉を切り続けている。
お客様の笑顔のために。
炭火焼肉 ふちおか
- 電話番号
- 050-5487-0718
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月・火・木~日・祝日
17:00~22:00
(L.O.21:30)
- 定休日
- 水曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。