あの味をもう一度! 惜しまれつつクローズした名店が復活
女性客が9割を占めるなど、味にうるさい女性から圧倒的支持を得ていた人気店『四谷 YAMAZAKI』。惜しまれつつクローズしたが、2020年3月に復活。四谷4丁目から四谷三丁目に移転オープンした。
場所は地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」駅から徒歩2分。新宿通り沿いから杉大門通りを曲がってすぐ、階段を降りた地下1階にお店はある。看板が出ているので比較的わかりやすいはずだ。
店内はシンプルで潔く、スッキリとして隠れ家的な雰囲気。ソーシャルディスタンスを心がけており、隣との間隔も広めでゆったりしている。
落ち着いた雰囲気の店なので、カウンター席で一人でお酒を飲みながら料理に舌鼓を打つのもいい。
さまざまな料理を知り尽くした料理長とパティシエの共演
料理長の山﨑重雄さん(左)とパティシエの池内哲也さん(右)。
山﨑さんはフレンチ出身のシェフで、イタリアン、中華、和食、寿司とさまざまなジャンルで経験を積み、腕を磨いてきた料理人。40年以上のキャリアを持つベテランだ。
一方、池内さんはフレンチの名店「オテル・ドゥ・ミクニ」でパティシエとして活躍していた経歴の持ち主。
この経験豊富な2人がタッグを組むことで『四谷 YAMAZAKI』でしか味わえない、和と洋が見事に融合した創作料理が出せるのだ。
なぜ、さまざまなジャンルの料理を身につけようと? という問いに山崎さんはこう答える。
「たとえばイタリアンだったら、お刺身を出すならカルパッチョになりますよね。だけど個人的にはお刺身にはやっぱりお醤油が一番だと思うので、日本料理も勉強したいと思って。食べることが大好きなので、素材を活かすためにいろんな調理法を知っておきたいと思ったのです」
コースでもアラカルトでも絶品「ウニ」が堪能できる!
そんな『四谷 YAMAZAKI』が力を入れている食材がウニ・エビ・カニ!
アラカルトでもコースでも、これら海鮮素材をふんだんに使ったメニューが楽しめるのが特徴だ。しかもコースは7品で4,000円という驚くべきコストパフォーマンス。この金額でウニが堪能できるなんてウニ好きにはたまらない。
「安くおいしいものを出して、お客さんに喜んでもらいたいんですよね。だからこの金額でやっています」(山﨑さん)
そして手にとった根室のムラサキウニをトッピングしてできた前菜がこちら・・・
「口どけ豆腐 生うにのせ」(写真上)。カクテルのようにオシャレに盛られた前菜は、たしかに女ゴコロをくすぐるビジュアルだ。
口どけ豆腐の名のとおり、豆乳とにがりをギリギリ固まる割合で作った自家製豆腐は、まるでヨーグルトのようなとろりとした食感。
そこにダシ、濃口醤油、みりんなどを加えた風味豊かな「べっこう餡」に、ウニとズワイガニをトッピング。
主役のウニやカニの味を邪魔しない、優しい豆腐がダシのきいたべっこう餡と混ざり合い、口の中ですっと溶ける。おいしい。
刺身盛り合わせにも寿司の技術が光る
続いては「刺身盛り合わせ」(写真上)。その日のおすすめの魚とお寿司がセットになって出てくるのが『四谷 YAMAZAKI』流。
刺身と寿司が一度にいただけるのはお得感があり、これはうれしい! ちょっとずついろんなものを食べたい女性の心理をさすがわかってらっしゃる。
しかも料理長の山﨑さんは和・洋・中では飽き足らず、かつて表参道の寿司店でも腕をふるっていたこともあり、その技術は折り紙付き。
「さんまの押し寿司」はシャリに海苔、ガリ、シソを巻き込む工夫がされており、食感が小気味良いのはもちろん、全体の味がしまってサンマの味を見事に引き立てている。
「カワハギのにぎり」はシャリとネタの間に肝を挟みこむことで、淡白な刺身に肝のコクが加わり、口の中でうまみが一体化するよう。
「エビの手まり寿司」にはとびっこが入っていて、プチプチとした食感がこれまた楽しい。
そしてウニ好きにはたまらない「生ウニ真鯛巻き」。ウニのねっとり濃厚な味と真鯛の自然な甘みがよく合っている。
そしてこの醤油。昆布とカツオを足し入れたオリジナルの土佐醤油は、刺身につけるとうまみが加わり、魚のおいしさがより引き立つ。この一手間に料理の対するきめ細かさを感じる。
ウニと生クリームの相性は抜群
続いては「魚介のウニクリームソース」(写真上)。鮮やかな黄色のソースは、ウニをたっぷり使っている証拠!
ウニをペースト状にして、そこに醤油やみりんなど、和の調味料で味付けをして生クリームを加えた、和と洋が融合した濃厚ソースだ。
そこにソテーした広島・地御前のカキ、車エビ、真鯛、シメジをトッピング。
さらに追い打ちをかけるよう、生ウニをオン!!
大ぶりのカキはミルキーでぷりっぷり。ウニクリームソースをつけながらいただくと、カキのうまみにウニのまったりしたコクがプラスされ、本当においしい。うまみの宝庫といっても過言ではない。
特筆すべきはこの「シメジ」。一見、添えもの野菜かと思いきや、これが大間違い。
上等なダシで煮込んだシメジがうまみをたっぷり吸い込んでいるため、噛んだ瞬間、まるで逆噴射するかのようにジュワーとうまみがほとばしり、口の中がおいしいダシでいっぱいに。
フレンチテイストでまとめられた一皿でありながら、和の趣も感じられる、料理長の豊富な経験が生んだ絶品料理だ。
目と舌で旬を味わう! サンマと松茸のコラボ
旬の食材をできるかぎり取り入れるようにしている『四谷YAMAZAKI』では季節限定のメニューも登場する。秋はもちろんサンマ。
「松茸の秋刀魚包み焼き」(写真上)は、秋の落ち葉をイメージした見た目にもすごく美しい一品。イチョウの葉のように見えるのは実はさつまいものチップ。黄金色で、質感さえもそっくり。
銀杏や栗の渋皮煮もあしらわれており、まさに秋一色。
サンマは丸ごと1尾を半身にし、松茸を包み込むように巻き、醤油ベースにみりんと酒で和風テイストに仕上げている。
皮はパリッと香ばしく、身は脂が乗っていて、染めおろし(大根おろしに醤油で色付けしたもの)とすだちとの相性がまた良い。
大きくカットされた松茸はとても香りが良く、その馥郁(ふくいく)たる香りは今の時季だけのお楽しみ。満足度の高い一皿だ。
コースデザートにも抜かりなし! 一流店のスイーツがここに
そして驚くのがスイーツ。こちらでは、ミクニの元パティシエ・池内さんの渾身のスイーツがいただける。
この日は「チョコレートムースの柿ソース」(写真下)。
果実の甘みを最大限に生かした柿のソースに日本酒を加えており、ちょっぴり大人テイストに仕上げている。その上にはチョコレートムース。口に含んだ瞬間、ほろ苦さとまろやかさが広がり、日本酒が加わることでこの上ないハーモニーが奏でられる。
すっと溶けてしまうけれど、ずっとこのおいしさの余韻に浸っていたいと切に願いたくなるほど。コースのラストにこんな素晴らしい味に出会えるなんて幸せだ。
ここでしか飲めないレアの日本酒やワインもあり
料理のおいしさを引き立てる、日本酒やワインもいろいろ揃っている。
チリ最高峰と称される「マックス・レゼルヴァ」をはじめ、品評会で評価されたワインもラインナップ。日本酒のプレミアムものもあり、他では飲めないけれど、ここに来ればあるからとレアなお酒を楽しみにしているお客さんもいるほど。
ウニ好きはもちろん、ジャンルにとらわれずおいしいものを食べたいという時には『四谷 YAMAZAKI』はぴったりのお店。
最後のデザートまでぬかりない、幸せな気分にさせてくれるコースはきっと忘れられないディナーになるはず。女子の満足度とリピート率の高さを誇る『四谷 YAMAZAKI』の魅力をぜひその舌で感じてみては?
【メニュー】
<ランチ> 900円〜 (税込み)
<ディナー>
・コース 4,000円(税別)
・コース 6,000円(税別)
・コース 8,000円(税別)
その他アラカルトメニューあり
<ドリンク>
・ワイン グラス 700円~/ボトル 3,800円~
その他ビール、日本酒、ウイスキーなどあり
※コロナ対策として、店内には消毒液を設置。席の幅を広く取り、ソーシャルディスタンスに対応しています
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はランチのみ税込み。ほかはすべて税別です
撮影:佐々木雅久
四谷YAMAZAKI
- 電話番号
- 050-5488-5934
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 火~土
ディナー 17:00~23:00
(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
日・祝日
ディナー 17:00~22:00
(L.O.21:45、ドリンクL.O.21:45)
- 定休日
- 月曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。