薪窯で焼き上げる本格的なナポリピッツァと豊洲で仕入れた新鮮魚介を使ったカジュアルイタリアン
「ピッツァイオーロ」とは、イタリア語で“ピザ職人”を意味し、「ナポリピッツァ協会」認定職人は日本国内ではまだ数人しかいない。
そんな協会認定職人であるピッツァイオーロが焼くナポリピッツァが評判のイタリアンレストランが『ソロノイ スルヌジェ』だ。
場所は東急東横線・都立大学駅から徒歩1~2分。アクセスがよく、広々とした明るい店内には地元民を中心にたくさんの人で賑わっている。
お店に入るとすぐ目に入るのが、ナポリの名士・ステファノ・フェッラーラ氏製作の大きな薪窯! この窯を自在に操っているのが、先述のピッツァイオーロでオーナーの名取洸二郎さん(写真下)。
神谷町や駒沢大学にあるピッツァの人気店『ダ ペッペ ナポリスタカ』のオーナーでナポリのトップクラスのピッツァイオーロであるペッペ氏の右腕として働き、唯一の“日本人弟子”として認められたという超実力派だ。
目の前で常に赤い火を灯し続ける窯、そして生地を手でのばしては驚くようなスピードで具材をのせ、どんどん焼き上げられていくピッツァ。まずは、そのピッツアの中から一番人気のピッツァを紹介していただいた。
コルニチョーネ(耳)も残したくない! 1枚で2通りのおいしさが楽しめる「ドン・ペッペ」
それが、『ソロノイ スルヌジェ』のスペシャリテ「ドン・ペッペ」。師匠であるペッペ氏の名を冠した大事なピッツァだ。
具材はシンプルながら、トマトソースとミニトマト、リコッタチーズと味が濃くうまみが強い水牛のモッツァレラチーズ、そして辛口のサラミとバジルが散らしてある。
可愛らしい太陽型とも星型とも称される形だが、実はこれは見た目だけではない。真ん中がスタンダードなマルゲリータ、コルニチョーネがカルツォーネ(包み焼きピッツァ)となっており、2通りのピッツァが1枚で楽しめるようになっている。
まずは窯の奥で焼き、薪を足したりしながら温度を微調整し、超高温の窯の中で約2分程度で焼き上げたこのピッツァは、ひと口食べてすぐ違いがわかる。
薄く軽い生地の爽快な食感にジューシーな具材の組み合わせは1人でもぺろりと食べられるおいしさ!
ちなみに、グルテンが出すぎないように練った生地と絶妙な水分量を残して焼き上げたこのピッツァはテイクアウトをしてもやわらかいままと評判。
なるほど、これが超実力ピッツァイオーロの腕か! と驚くうまさ溢れた一枚だ。
その日揚がった活きのいい魚介を豊洲から直送! 厳選素材のカルパッチョにワインが止まらない
『ソロノイ スルヌジェ』のこだわりはピッツァだけではない。毎日豊洲の水産物の卸売り『丸昌』から、活きのいい魚介類を仕入れ、それらを南イタリアのスタイルで仕上げた“魚介イタリアン”は、ピッツァと並ぶ人気メニュー。
たとえば前菜の一皿「カルパッチョ」(写真上)。切り身の厚さと大皿にたっぷりと並んだ
ボリュームは圧巻だ。
「その日仕入れたものをその日のうちにおいしくお出しする」という言葉の通り、ピンと立った魚の身の新鮮さに驚く。
切りつけるのはオーダーが入ってからで、そこから魚の種類によって皮目をあぶるなど、魚のうまみを最大限に引き出し、たっぷりのベビーリーフの上にずらりと並べ、フルーツトマトとピンクペッパーを散らす。
味付けは世界中のシェフが愛用する『マルドン』のフレーク状の海塩とアップルビネガー入りのオリーブオイルでシンプルに。
取材日は鰤(ブリ)、クエ、鰆(サワラ)の3種類。魚のサラリとした脂と塩と酸味の爽やかな味わいがワインと好相性。食欲を増す、素晴らしいスターターだ。
ちなみに魚は旬のおいしいものを選んで数種類ほど盛り付けるそうだ。
もはやメイン級のボリューム! 手長エビの味わいを丸ごと味わう豪快な絶品パスタ
ピッツァと並んで人気なのが、シェフの吉田智也さんの作る魚介を使ったパスタ。
吉田さんは北参道の人気イタリアン『ボガマリ・クチーナ・マリナーラ』出身で、得意なのは南イタリアの味わい豊かな魚介を使ったイタリアン。
今回お出しいただいた「手長エビとフレッシュトマトのリングイネ」(写真上)には、一人前3尾も手長エビを使い、風味を高く一番おいしく食べてほしいとの理由から、オーダーごとにいちから丁寧に作り上げる。
フレッシュなフルーツトマトをたっぷりと使い、その日の素材を見てアレンジしながら調味する。
たっぷりな量の手長エビののったパスタはメイン級のボリューム! エビの深いうまみを吸ったパスタが絶品で、海の恵みを丸ごと感じさせる。そして濃厚なのに、あと味が軽いことに驚く。
これは毎回、ピッツァか魚介を使ったパスタ料理かオーダーを迷ってしまいそうだ。
ピッツァや魚介イタリアンに合わせるなら、やっぱりイタリアワインに決まり!
こちらで扱っているワインはイタリア産のみ。北部から南部までさまざまなエリアのものをそろえている。また、オーナーでフロア担当の西山亮介さんはソムリエでもあるので、ぜひ好みの銘柄や飲み頃の良いものを聞いてほしい。
食中はワインで、食後はイタリアンらしくリキュールで締めるのもおすすめだ。
1人ランチから仲間とのディナーまで多用途に使えるカジュアルなピッツァ&イタリアン
カウンター席からテーブル席、奥には個室まである店内はどんなシーンでも使いやすく、さらに和気あいあいとした雰囲気に思わず初めてでもくつろいでしまう『ソロノイ スルヌジェ』。
(写真左:西山さん 写真左から二番目:名取さん 写真一番右:吉田さん)
絶品ピッツァとイタリアンを食べに、次の休日はぜひ都立大学駅まで訪れてみてはいかがだろうか。なお、テイクアウトやデリバリーも実施中だ。
【メニュー】
▼料理
・ドンペッペ(ピッツア) 2,300円
・魚のカルパッチョ 1,900円
・手長エビとフルーツトマトのリングイネ 2,100円
*他、アラカルトメニューやランチメニューあり
▼ドリンク
・グラスワイン 600円~
・ボトルワイン 3,800円~
*その他、ビールやカクテルなどアルコール多種、ソフトドリンクなどあり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税・サ別です
撮影:榊 智朗
ソロノイ スルヌジェ(SOLO NOI sul nuje)
- 電話番号
- 050-5487-6937
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 11:30~14:00
17:30~22:00
- 定休日
- 火曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。