ヒューガルデン×ベジアペロという未知なる地平を楽しみに広尾へ _PR

新米、新茶、新酒……。「新」とつく味はなんとも清々しく、晴れやかな気分を連れてきてくれる。新店、新酒、新メニューなんて言葉を聞いても「どんな店だろう」「どんな味だろう」と想像して、つい楽しげな気持ちになってしまいます。

じんわり汗ばむ、この季節には誰がなんと言おうとビールで喉を潤したい！　それもすっきりした飲み口の奥に、小麦の香りと甘やかさが見え隠れする、ちょっぴり華やかなヤツがいい！

という季節にうってつけのお話が飛び込んでまいりました。ベルギーきってのホワイトビール「ヒューガルデン」と広尾の『EAT PLAY WORKS（イートプレイワークス／EPW）』とのコラボレーション企画。Hoegaarden VEGGIE APÉRO（ヒューガルデン・ベジアペロ）＠EPW。

ちなみに“アペロ” とは、夕食前のおだやかな時間帯にアルコールと軽めのフードを家族や仲間と楽しむヨーロッパの習慣。フランス語で食前酒を指す「アペリティフ（apéritif）」の略語で「食事の前に軽くアペロしましょう」くらいのニュアンスで使われる言葉だとか。肩の力を抜いて申し上げると「早く着くから、ゼロ次会でちょっとアペろうぜ」という感じだと勝手に解釈しちゃいましょう。

これまでも「ヒューガルデン」は人並み以上においしく飲んでいたつもりですが、料理とのペアリングについてはあまり真剣に考えてきませんでした。『dressing』の肉担当として「肉に合わせるなら？」と聞かれれば、牛ならビーフパストラミのルーベンサンド、豚ならポン酢で食べる豚しゃぶ、鳥ならよだれ鶏……などが浮かびますが、ベジで軽食となると何に合わせたらいいものやら……。

と余計な心配をしながら、本日は「ヒューガルデン×ベジアペロ」という未知なる地平を楽しみに、今日は喉とお腹を鳴らしながら広尾にやってきた次第です。

まずはキーンと冷えたヒューガルデンをゴクリ。ああ……。駆けつけ一杯が、「ヒューガルデン」とは何ともぜいたく。上品な苦味と甘みの奥から、華やかなスパイスの香りが立ち上り、全身の細胞へと沁み渡っていきます。

※今回のペアリング企画では、期間限定の特製メニューは提供されていますが、酒類の提供については、情勢に伴う通達に応じて提供を適宜変更いたします。

そしてベジアペロ最初の店舗は『ビストロ ネモ（Bistro Némot）』。かの二つ星『レフェルヴェソンス』で腕をふるった根本憲仁シェフが厨房に立つビストロです。ていねいな仕込みと躍動感あふれる仕上がりの品々でいつもカウンターは鈴なり状態。ふらりと訪れても、なかなか席につくことはできません。

もっとも夕食前の早い時間なら、席が空いていることも。そんなときに食べたい根本シェフのベジアペロは、夏の王道である野菜のゼリー寄せこと「ジュレ ドゥ レギューム」。

「ヒューガルデンは軽快なのにボリューム感のあるビールですよね。上品な華やかさと甘さが印象的ですが、オレンジピールやコリアンダーシードなどのスパイスもほのかに香る。それをキンキンに冷やして、ゼリー寄せのようなさまざまな野菜のニュアンスと合わせやすいかな、と思ったんです」と根本シェフ。

初夏から夏にかけては旬野菜の移り変わりが激しい季節。旬がごく短い野菜の味わいも逃さぬよう、8種の産直野菜を素材の特性を活かしながら、「ぎりぎり固まる程度の」硬さのコンソメで組んでいきます。

「野菜はほとんどが僕の出身・福島県郡山市の鈴木農場さんからの直送です。この店のスタート前に農家さんを探しているとき、地元にいい野菜を育てている人がいることを知ってできるだけ使おう、と。とくに福島の野菜は震災以来、風評被害にさらされてきましたから、払拭するために少しでもお手伝いできることがあれば、という気持ちもあります」

ちなみに6月上旬のゼリー寄せに使われていた野菜は、春キャベツ、姫にんじん、とうもろこし、ヤングコーン、ホワイトアスパラガス、パプリカなど。他、あしらいにベビーリーフなどの葉物、乾燥させて粉末状に加工したビーツのパウダーも使われていました。

舌が喜ぶコンソメの動物性のうまみの奥から野菜の甘みや苦み、ミネラル感など、いろいろな味わいを噛めば、さまざまな野菜の味が目まぐるしく口の中で展開されます。実に楽しい！　しかもすべてを楽しみ尽くした後、「ヒューガルデン」で舌と喉を潤すと、華やかな味わいのなかに、野菜のフレーバーがかすかに戻って新たな味と香りが立ち上がります。涼やかでなんとも気持ちいい！

「クラシカルな王道メニューに新しい技術やアイデアを加え、素材の良さも含めて伝えるというチャレンジをしていきたい。EPWには女性のお客さまも多いから、今回のヒューガルデンとのコラボレーション企画は、とてもやりがいがありました」

名酒、名水の里、福島に生まれた根本シェフは幼き頃「湧き水を汲みに行くのが習慣だった」といいます。冷えた野菜のゼリー寄せに合わせる、キンキンの「ベルジャンホワイト」。みずみずしいそのペアリングに潜む奥深さ、舌とお腹、体全体を考えても、汗ばみがちな季節の食事の前にはお腹に入れたい組み合わせです。

EPW各店のキッチンには、選りすぐりの店と腕っこきの料理人が集っています。国内最南端の料理が味わえる店と言えば、『沖縄出汁商店～Okinawa stock store』。田中智也シェフが送り出したベジアペロは「炙り野菜の冷やし沖縄そば」。

「もともと『冷やし沖縄そば』自体はメニューにあるんです。EPW自体、女性のお客さまも多いので『生アーサーそば』『ゆし豆腐そば』など肉を控えたメニューも揃えています」

確かに5種類あるそばのうち、いわゆる"肉系"は「炙りソーキそば」のみ。トッピングもネギやフーチバー（よもぎ）、パクチーなどのハーブも多く、ベジメニューはお手のもの。

「ヒューガルデンはスパイスを中心とした華やかで甘い印象もありますが、ビールですから苦みもある。ただその苦さがやさしいですよね。ゴーヤと合わせるのにとてもいい。野菜は炙って香ばしさを加え、だしに漬け込みました。キリッと冷やしたゴーヤなど、夏野菜のさまざまなニュアンスと合わせてほしいですね」

かつおと昆布のだしのしみたゴーヤのやわらかな苦みに、「ヒューガルデン」のやさしい苦みを合わせると、どちらの苦みも感じられる新しい体験。その他も、パプリカ、ヤングコーン、オクラ、ミョウガ、トマトなど、みずみずしさや甘さ、青臭さ、酸味などさまざまな夏野菜のさまざまな味わいと「ヒューガルデン」が持つさまざまな表情が引き出されて、ベジアペロなのについヒューガルデンも麺も進んでしまいます。

その様子を笑顔で見ていた田中さんが一言「麺も小麦だからヒューガルデンとはもちろん相性がいいんですよ」と。

当たり前過ぎて、うっかりビールの主原料が小麦だということを失念していました！　具の野菜のニュアンスと、「ヒューガルデン」のオレンジピールやコリアンダーシードのニュアンスだけではなく、そもそも全体の土台となる小麦の味わいと香りも相性抜群。しかも沖縄直送の生麺は時間を置いてものびにくく、麺の温度が上がって常温に近くなると小麦の香りが立ち、「ヒューガルデン」とのペアリングがより引き立ちます。

「ヒューガルデン」と「炙り野菜の冷やし沖縄そば」。うっかりするとどちらも止まらなくなるので、あくまで"アペロ"だということをお忘れなく。

EPWには一軒だけ他とは明らかに一線を画す業態があります。「THE RESTAURANT」2Fの最奥部にある『スナック すいか／白井餃子』。店主はフードディレクター・コーディネーターの白井絵美さん。

「『ヒューガルデンでアペロができるベジメニューを』とリクエストを頂いて考えてみたら、うちのスタンダードな餃子は豚こそ入るものの、白菜、キャベツ、ニラといった野菜たっぷり餃子です」

そんな『スナックすいか』が今回の企画向けに編み出したのが、北海道のハルユタカブレンドで打った皮まで緑色の「万願寺唐辛子の餃子」です。

「せっかくの期間限定だから、いつもより贅沢な具をと考えて万願寺唐辛子をゴロッとした食感と細かく刻んだものを2種類入れました。肉は鶏肉にして、風味づけはにんにくなしの生姜のみ。普段は国産のビールにも寄せた味にしていますが、今回は飲み口のいいヒューガルデンだけに特化した味わいに仕上げています」

もちもちっとした皮をひと噛みすると小麦の香ばしさが立ち上り、餡の鶏肉と万願寺唐辛子の爽快な味わいが夏らしさを感じさせてくれます。そこにゴクッと「ヒューガルデン」。皮の小麦の香ばしさに「ヒューガルデン」の小麦の香ばしさがon！　口内から鼻腔にかけて小麦感が充満します。

かと思えば、万願寺唐辛子のグリーンノートが鶏肉のコクに包まれ、「ヒューガルデン」のコリアンダーシードのオリエンタルなフレーバーとも絡み合うと、一気に味わいは夜へと展開されていきます。夏の青い香りが昼だとすると、餡の味わいはさしづめマジックアワー。「ヒューガルデン」と出逢うと昼でもなく、夜でもない。幻想的な薄暮を思わせるニュアンスは、まさにこれから夕食へと向かう魔法の時間だということを思い出されます。

「もちろん小麦と小麦の相性はいいですし、餃子の香味野菜や鶏肉とヒューガルデンに含まれているスパイスのフレーバーとの相性もいい。実は昨年のオープン時から、ヒューガルデンはずっとメニューに入っています（笑）。開店前にヒューガルデンの方に『生樽で取られたらいかがでしょう』と言われたんですが、場所の制約もあり、瓶でのご提供となっています。もちろん"アペロ"として万願寺唐辛子餃子との組み合わせも楽しんでいただきつつ、通常、深夜2時まで営業しているスナックとしては、他のお店の後、小腹が空いたというときにも、ぜひ召し上がっていただきたいですね」

おおっ！　食前に「軽食で一杯」というアペロスタイルを、〆の一杯と一品にも応用しちゃう!?　確かに野菜で締めれば、翌日の体も軽いはず。懐の深いベルギーホワイトなら、”〆アペロ”という、ある種矛盾した面白ささえもゴクゴクとおいしく飲み干せてしまいそう、ふくよかなのに爽快なあと味は、最初の一杯はもちろん〆にもピッタリです。