眼前に迫る、迫力満点の東京スカイツリー®。夜ともなれば、隅田川沿いの夜景がきらめく。景色もごちそうという言葉を実感してしまうレストランが、地上100メートルにある『ラ・ラナリータ吾妻橋店』だ。
非日常的な空間で、旬の食材にこだわった本格的なイタリア料理をリーズナブルに楽しめるとあって、リピーターが絶えない。
浅草のランドマーク的存在、巨大な金色のオブジェを頭上にいただく建物と、その隣にあるビールジョッキを模したアサヒグループ本社ビル。『ラ・ラナリータ』はその本社ビル22階、ジョッキの泡の部分に店がある。
店内は高い天井と、天井まで届くガラス窓の広々とした空間。窓の外には、遙か彼方まで東京の街並みが続いている。
真っ白いテーブルクロスの上には鮮やかな黄色のクロスが重ねられ、リストランテらしい風格がにじむ。余裕を持ってテーブルが配置され、贅沢な空間になっている。外に広がる絶景と相まって、まるで天空のレストランに招かれたようだ。
ギザギザとした形の窓それぞれの角毎に置かれたテーブルは、眺めを独り占めできる特等席。大切な人と過ごす、とっておきの日のために利用したい。大人数でも利用できる個室は、スカイツリー®の絶景が楽しめ、ちょっとした集まりにぴったりだ。
イタリアン一筋の実力派シェフ
この贅沢な空間でいただけるのは、リーズナブルで本格的なイタリア料理。料理の指揮を執るのは実力派シェフの澤野太介さん。
「オーストラリア留学中、イタリア人の友人から教わって初めて料理を作ってみたんです。だんだん上手くなって周りの人に振る舞ったら、とても喜んでくれた。料理を仕事にしょうと思った原点ですね。」と語る澤野さん。
帰国後、六本木ヒルズにあるスペインバルの厨房に入り、そこで出会ったシェフに鍛えられる。さらにさまざまな経験を積もうと個人オーナーのイタリア料理店に入店。そこで仕入れから料理に関するあらゆることを学び、それらの経験を生かすべく、『ラ・ラナリータ』に入った。現在は、料理長として、パスタ部門、メイン部門、ドルチェ部門などさまざまな部門の担当者と共に、同店の味を作っている。
本格的なイタリアンをリーズナブルに楽しむ
イタリア料理は、郷土料理の集まりとして知られているが、『ラ・ラナリータ』で大切にしているのは、旬の日本のおいしい食材を生かすこと。その食材を生かすために、さまざまなイタリアの調理法を取り入れている。
およそ3ヶ月毎にグランドメニューも含めてメニューを季節に合わせて更新。丁寧な仕事から生まれる一皿は、洗練された特別なひとときにふさわしい逸品ばかりだ。
メニューはコースとアラカルトが用意されている。こだわりの本格イタリアンのディナーコースが5,500円からとリーズナブルで、ランチもディナーもコースを頼む人が多いのも納得だ。さっそく、前菜、パスタ、メイン、ドルチェなど6品からなる一番ベーシックな「チェナヴェルデ」コースを紹介しよう。
丁寧な仕事で旬の素材の良さを生かした料理
カラフルな彩りの野菜に目を奪われる前菜「牡蠣とアンチョビの旨味 バーニャカウダーと旬野菜」。アンチョビやニンニク、オリーブオイルで作るバーニャカウダーソースに、冬の味覚である牡蠣からとっただしを加えている。
牡蠣のエキスがギュッと詰まっただしは、アンチョビの旨みを増し、シャキシャキの野菜に付けると野菜の甘みを引き出してくれる。野菜は旬のものを使用。この日は、白い花のようなカリフローレや紅白大根や葉付きミニ大根など。普段、お目にかかれないような珍しい野菜に、思わず会話が弾みそうだ。
パスタは旬のヤリイカを使った「イカ墨を練り込んだスパゲッティ 軽い仕立ての墨のソース」。イカ墨を練り込んだパスタに合わせているのは、貝のだしを加えたイカ墨ソース。軽くソテーしたスミイカと、彩りに花穂じそを散らしている。
イカ墨のパスタと言えば、口の周りの汚れが気になりがちだが、パスタに旨みたっぷりのソースを吸わせるように調理し、墨の量も控えめなため、汚れを気にせず食べることができるのもうれしい気配りだ。
メインは「仔豚の骨付きロース肉と淡路産玉葱のナポリ風煮込み」。スペイン産の仔豚を大量の玉ねぎと共に低温のオーブンでじっくりと煮込んだ料理。
テーブルの上に現れると、玉ねぎの甘い香りがフワッと立つ。どっさりと大量に使われた玉ねぎは煮詰められ、豚の骨からでる旨みも吸収し、黄金色のトロットロのソースに。ローストされた仔豚は脂身も薄く、豚肉特有のクセもなく淡白でまろやか。ホロッとした柔らかい豚肉と自然な甘みを凝縮したソースとの組み合わせは心がホッコリ和む味わいで、寒い冬にしみじみと食べたい料理だ。
デザートは「カッサータジェラータと蜜柑のコンポスタ」。カッサータは生クリームとジェラートを合わせたものに、シロップに浸したドライフルーツとナッツを合わせたアイスケーキ。ミカンはまるごと低温でコンポートにしている。
フレッシュなミカンを、薄皮もまるごとコンポートに。甘酸っぱく、どこか懐かしいミカンの味わいは、生クリームを控えめにしたデザートの味のアクセントになっている。お腹いっぱいでもペロリと食べられる軽やかなスイーツだ。
軽く一杯をこの空間で楽しむ贅沢
「この空間が好きで、気軽に訪れてアラカルトで一杯を楽しまれる方もいらっしゃいます。」と店長の大石竜さんは語る。パスタの他、イタリアから取り寄せた粉を使い、専用の釜で焼いたピッツァも人気メニューだ。中でもユニークなのが「ピッツァボンバ」。
発酵した生地を麺棒で均一に薄く伸ばし、その生地を焼くと熱で中の空気が膨張し、ドーム状に膨らむ。この膨らんだ生地をしぼませないようにこんがりと焼いていく。
真ん丸に膨らんだ生地は、ビジュアルのインパクト抜群。何か不思議なオブジェのようだ。いったん膨らんだ状態でプレゼンされた後、キッチンで凹ませ、生ハムをたっぷりトッピングして再び供される。
生ハムはサンダニエーレ産のもの。パルマと双璧とされるイタリアでも最高級の生ハムで、しっとりと柔らかく、塩味も控えめで、肉の旨みが際立つ。カリッカリに香ばしく焼けた極薄のピッツアと共にいただけば、ビールやワインが進むこと間違いなしだ。
アラカルトでリストランテらしい正統派イタリアン料理を楽しむのはいかがだろう。「フォンティーナを詰めたイタリア産仔牛ロースのコトレッタ」。「フォンティーナ」とは、イタリア産のチーズで少しナッツを思わせるような香りがするのが特徴。少しクセがあるが、マイルドでチーズ好きにはたまらない味わいがある。
このチーズを淡泊な仔牛肉と合わせてカツレツにしている。細かく挽かれたパン粉がサクサクと軽やかで、トロリとしたチーズとのコントラストがたまらない。赤ワインを合わせたくなる一皿だ。
料理に合わせた飲みやすいワインやプレミアムなビールをラインナップ
本格イタリアンに合わせるワインは、イタリアだけではなく、フランスやニューワールドのものもラインナップ。シェフが作る料理をイメージし、ベテランのソムリエが品ぞろえしている。
アサヒビール本社を訪れたなら、ビールという人には、近隣の系列店「隅田川ブルーイング」で作っているクラフトビールなどを含めた4種類の生ビールが楽しめる。
とっておきのひとときを過ごしたい日のためのレストラン
昼は天井からも明るい陽光がさんさんと降り注ぎ、夜になると、一転して抑え気味のシックな照明の中、キラキラと輝く東京の夜景に包まれた幻想的な空間に変わる。
この空間にいるだけで気分が華やぐ。絶景を楽しむレストランで、いつもと違うひとときを楽しんでみてはいかがだろう。
【メニュー】
・チェナヴェルデ(全6品) 5,500円
・ピッツァボンバ 2,000円
・フォンティーナを詰めたイタリア産仔牛ロースのコトレッタ 2,400円
※アラカルトの料理は季節によって変わることがあります。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
ラ・ラナリータ 吾妻橋店
- 電話番号
- 050-5484-5018
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~金
ランチ 11:30~15:00
(L.O.14:00)
土・日・祝
11:30~16:00
(L.O.15:00)
ディナー 17:00~22:00
(L.O.20:30、ドリンクL.O.21:45)
L.O.コース20:30/アラカルト料理21:30/ドリンク21:45
- 定休日
- 不定休日あり
年末年始・隅田川花火大会開催日・1月最終の日曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。