■パスタ通も唸る!「究極のボロネーゼ」の作り方
イタリアのボローニャ地方発祥のパスタ「ボロネーゼ」。
日本の家庭では「挽き肉とトマト缶を炒め合わせてパスタに和えるだけ」の簡単レシピが親しまれているため、手軽に作れるイメージを持っている人が多いかもしれない。
…が、今回はあえて、 “妥協ゼロ” “手抜きゼロ”なこだわりのボロネーゼソースの作り方を紹介したい。
■プロも実践する「調理のポイント」5つ
ボロネーゼに必ず使うのは、牛挽き肉とトマト、それに香味野菜。
まずは、それらの具材のおいしさを最大限に引き出すためのポイントをひとつずつ紹介していく。完成までは半日近くかかるが、手間ひまかけた分、想像をはるかに超えるおいしさを味わうことができるので、しっかりと読み込んでほしい。
1.「牛スジ肉」と「牛スネ肉」の2種類を使う
牛スネ肉は、フードプロセッサーで自家製挽き肉に。牛スジ肉は、下茹でして約1cmにカット。
この2種類をボロネーゼソースに使用することで、トロトロに溶けた牛スジ肉からはコクのある甘みが、スネ肉からは強いうまみが引き出され、仕上がりの深みが格段に増す。
2.肉は触らずに焼き目をつける
2種類の肉を合わせてフライパンに入れたら、かき混ぜてはいけない。焼き目がつくまでじっと待つ。
これを守ることによって肉のうまみが逃げることなく、深いコクのあるミートソースに仕上がる。
3.香味野菜のバランスは「1:1:1」
香味野菜をじっくり炒めたものを「ソフリット」と言う。ボロネーゼと相性の良いソフリットのバランスは、「タマネギ:ニンジン:セロリ」が「1:1:1」。この黄金比は覚えておこう。
4.トマトはオーブンで焼いて甘みを引き出してから使う
生のトマトを、150℃に設定したオーブンで焼く。低温で1時間じっくりと火を通すことによって、トマトから甘みが引き出される。このひと手間を加えることで、トマトの酸味が悪目立ちすることなく味が濃くなり、ソースに深みが加わる。
5.完成したソースは、3時間以上置いて味をなじませてから食べる
ボロネーゼソースが完成したら、一度完全に冷ますこと。そうすることで全体の味がなじみ、コクと深みがグンと増す。食べるときには焦がさないよう、温めなおしてから召し上がれ。
■ポイントを押さえたら、さっそく実践!
手間ひまかけて炒め合わせた香味野菜は香り高く、1時間かけてじっくりと甘みを引き出したトマトは驚くほど濃い味に。ゴロゴロの牛肉はパスタと絡まり合って、舌の上で踊るようだ。
ひと口食べれば、うまみ、コク、香り…すべての要素が最大限に引き出された「究極のボロネーゼ」のおいしさに、驚かされること間違いなし。使用するパスタはもちろん、本場のボロネーゼに合わせて「タリアテッレ」に決まりだ。
■材料 (4人分)
・トマト … 4個
・タマネギ … 60g(タマネギ1/4程度)
・ニンジン … 60g(6cm程度)
・セロリ … 60g (3/4本程度)
・牛スジ肉 … 150g
・オリーブオイル … 大さじ1
・牛スネ肉 … 250g
・赤ワイン … 300ml
・水 … 200ml
・ローリエ … 1枚
・塩 … 小さじ1
・コショウ … 小さじ1/2
・パルミジャーノチーズ … 適量
・パスタ … 320g
■下準備(所要時間:約1時間半)
・香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ)をみじん切りにする。
・牛スネ肉を包丁でこまかく刻み、フードプロセッサーにかける。
・牛スジ肉は下ゆでし、1cm角程度にカットし、スネ肉と混ぜる。
・トマトのヘタをとり、150℃に余熱したオーブンで1時間加熱する。
■作り方 (調理時間:約1時間 ※室温に置く時間を除く)
① 厚手のフライパンに、みじん切りにした香味野菜を入れ、オリーブオイルを回しかけたら蓋をし、中火で熱する。
② 3分おきに蓋を開けてかき混ぜながら、15分間加熱する。
③ 蓋をあけて中火で5分炒めたら火を止め、別の容器に移しておく。
④ ③と同じフライパンに、下準備しておいた牛スネ肉、牛スジを加える。かき混ぜずに10分間中火で熱して、こんがりと焼き目をつける。
⑤ 焼き目がついたらかき混ぜ、全体の肉の色が変わるまで炒めたら、取り出して別の容器に移し、フライパンに赤ワインを加えて中火で熱し、アルコールを飛ばす。
⑥ ⑤のフライパンに④の牛肉、③の香味野菜、水、ローリエ、下準備しておいたトマトを加えて潰したら軽く混ぜ、弱火で1時間煮込む。
⑦ 塩・コショウを加えて混ぜ、3時間以上室温におく。
⑧ パスタを表示時間通りに茹でて器に盛り、温めた⑦をのせてパルミジャーノチーズをふる。
■ついに完成…! おいしさに酔いしれよう
手間と時間を惜しまずに作る、「究極のボロネーゼ」のレシピを紹介した。
完成まで半日近い時間をかけ、具材それぞれのおいしさを最大限に引き出す。完成したボロネーゼをひと口食べれば、そのおいしさに誰もが感動するはず。ゆっくりと料理を楽しめる休日に、ぜひ挑戦してほしい。
【レシピ作者プロフィール】
レシピ制作:フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
HP:http://foodcreativefactory.com/
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